会社・工場での問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/12/29 15:59 UTC 版)
「食品消費期限切れ問題」の記事における「会社・工場での問題」の解説
問題となった工場は、上海市嘉定区に食肉加工工場を置く「上海福喜食品(シャンハイ フーシー シーピン、シャンハイふっきしょくひん)中国語: 上海福喜食品」である。 工場を運営する会社は「OSIグループ」の傘下である「上海福喜食品有限公司(シャンハイ フーシー シーピン イウシェン コンスー、シャンハイふっきしょくひんゆうげんこうし)中国語: 上海福喜食品有限公司」である。 工場では、素手で肉を扱ったり、半月ほど期限が過ぎた肉を製造ラインに通したり、床に落ちた肉を機械に入れて、そのまま製造して出荷された。中には半年の期限が過ぎたものも含まれている。 期限が半年経過して青色に変色した肉については、ミンチにして包装し直し、保存期限表記を1年強に書き換えられた。この半年経過した期限切れの肉は材料として再利用し、食品の5パーセントに添加された。この時、撮影された工場内の動画では「混ぜても見た目でわからない」と、実態の隠蔽をほのめかす会話がされていた。 また出荷される肉は、本来では冷凍保存されているものだが、75箱が解凍状態で保管されている現場も発見された。これらは不良品となり廃棄されるものだが、工場ではこれを廃棄せずにミンチにして、食肉加工品に5パーセントが添加された。2013年5月に同工場で製造された「中国式ミートパイ」は、「味わい肉餅」という名称の包装に変えて、製造日を2014年1月に改竄し、4396箱が出荷された。 同工場では、期限切れの肉を再利用することは長年の一貫したやり方で、これらは上層部の指示によって行われた。工場への立ち入り調査はマクドナルドなどによって頻繁に行われているが、工場側では検査の2日前になると「現場で不良品混入を見せないように」といった隠蔽指示も出されていた。 上海市当局はこれを受けて、工場への立ち入り調査を行い、食品会社からデータのコピーを実行した。しかし調査の途中でネットワークサーバーが切断された事を明かした。当局は直後に会社のパソコンを押収した事に加え、品質に問題のある材料を加えた事を示す書類などが発見された。 上海市公安局は、2014年7月下旬から8月上旬にかけて幹部職員6人を拘束し、違法行為の事実が有るかの捜査を進めた。その後の8月29日に中国当局は、上海福喜食品の幹部職員6人を、偽物で粗悪な製品を生産・販売した疑いで逮捕した。 7月の問題発覚から工場は操業停止し、上海福喜の従業員には有給休暇が与えられていたが、9月22日には従業員340人が解雇された。
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