セヴラック:休暇の日々から 第2集
英語表記/番号 | 出版情報 | |
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セヴラック:休暇の日々から 第2集 | En vacances II | 作曲年: 1921年 出版年: 1922年 初版出版地/出版社: Rouart-Lerolle |
作品解説
シューマンからの影響が色濃い《休暇の日々》第一集に対して、この第二集は、ショパンへの敬意を表した作品である。1921年、この曲集の作曲にとりかかったもの、未完のままこの世を去ることになった。第一集と比較すると、その長さも比較的長く、技術的、音楽的にもより複雑さを増している。第2曲と第3曲は、セヴラックのピアノ曲の紹介に力を尽くしたピアニスト、ブランシュ・セルヴァによって完成された遺作である。
1.I ショパンの泉/No 1, La Fontaine de Chopin:冒頭のレチタティーヴォ、低音から上行した後、高音での華やか響きが印象的である。 続くワルツは、第1集の〈ロマンティックなワルツ〉でみられたような、洗練された優雅さがある。中間部ではしなやかな左手のアルペッジョをともなったショパン風のロマンティックな音楽が繰り広げられる。譜面上における視覚的な印象の変化も面白い。重々しくも厚み、丸みのある低音、高音の金色の響きの作り方、さまざまなニュアンス。ショパン風でありながらも、逆にセヴラックの個性がひきたてられた魅力的な作品である。
2.II 鳩たちの水盤/No 2, La Vasque aux Colombes:2分の2拍子で、音楽がゆったりと進行する。トリルやアルペッジョは、曲の描写的な側面をより際立たせているように思える。この曲の途中でセヴラックの筆がとまっており、その後の部分は、和声的な要素や構成をたよりに、ブランシュ・セルヴァによって慎重に仕上げられ、出版された。
3.III二人の騎兵/No 3, Les Deux Mousquetaires:「時代遅れの様式による危険のないカノン」という副題がついており、サティ風のユーモアをみせる。〈カノン〉には、“音楽形式のカノン”と、“大砲”の2つの意味をこめているようだ。この曲も、ブランシュ・セルヴァによって完成された遺作である。カミーユ・スーラ博士にささげられた。途中にでてくるファンファーレは、ノンレガートで勇ましく奏する。
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