仲介業者による中間搾取や不払い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 15:36 UTC 版)
「日本の慰安婦」の記事における「仲介業者による中間搾取や不払い」の解説
吉見義明や尹明淑によれば、現在証言の得られる元慰安婦のほとんどは、慰安婦の直接の雇用主である業者が、慰安婦から「前借金」「衣装代」「住居費」「食料代」及びそれらの利息等の名目で給与を天引きしており、慰安婦の手元に渡された給料はほんのわずかというケースが少なくなかった。 日本内地の遊郭等の女性においてもいくら働いても利子が嵩んで前借金がいっこうに減らない、ときには雪ダルマ式に増えるといった話はよく聞かれる。そのことがまた、例えば日本人女性についても外地に行けば今度こそはきちんと稼げて借金を返せるといった甘言で、女性を外地に送り込むことにしばしば利用されている。また、しばしば広告で大金が稼げるといった形で募集されていた例が報告され、特に朝鮮の例においては、このことが慰安婦らが十分な報酬を得ていた証拠として日本側で利用されることがある。もちろん、これらはあくまで業者側の釣り広告であり、個々の広告について、実際にそれだけ収入があったのかどうか実証研究はなされていない。実際には、慰安婦の抱え主は自身の法的リスクを抑えるとともに経営リスクも極力女性側に押し付けるため、表向きは女性らが自営業として売春し、そこから業者が前述の借金の元利や各種代金を引き去っているだけとする法的体裁を取ることが多く、そのことから、実際には、現地に着いてみると「最高ランクの料金で毎日朝から夜まで切れ目なく客が付けば理屈の上ではそれだけの額になる、そうなるかどうかは、後はあなた自身の成果次第」あるいは「募集業者が勝手に出した広告で、自分らとの知ったことではない」ということで、そのときには既に旅費はもちろん仲介業者の仲介料まで当人の前借金にされているというのが、典型的なパターンであったと考えられる。[独自研究?] 李榮薫はこうした業者は女衒であったとしている。秦郁彦も業者が慰安婦に支払わなかったことや楼主の不払いについて指摘している。
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