他法域における同様の権利
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/25 03:19 UTC 版)
「特許を受ける権利」の記事における「他法域における同様の権利」の解説
冒頭で述べたとおり、他の産業財産権法である実用新案法、意匠法でも、それぞれ同じ趣旨により、「実用新案登録を受ける権利」(実用新案法3条1項柱書)、「意匠登録を受ける権利」(意匠法3条1項柱書)が認められている。特許法と同様に、創作物(実用新案法においては、産業上利用することができる考案であって物品の形状、構造または組み合わせに係るもの。意匠法においては工業上利用できる意匠)の完成から、独占排他権の発生までにある程度の期間を要するからである。 一方、同じ知的財産法であっても、商標法や著作権法では認められていない。 商標法で同様の権利が規定されていないのは、商標法が創作物を保護する法制ではないことによる。すなわち、商標法は商標に化体した業務上の信用力(ブランド)を保護することを本質とする法制であって(商標法1条)、商標を構成する言葉や図形のデザインの創作性を保護する法制ではないからである。商標とすべき言葉や図形などを創作しても、それを対象として商標登録出願をしない限りは、商標法はそれに何らの保護を与えない。そのため、出願対象の商標を決定する行為は、「創作行為」と区別するために、「選択行為」とよばれている。 また、著作権法は創作物(著作物)を保護する法制である点では特許法と同様であるが、著作権法は、著作物の創作と同時に独占排他権(著作権)を発生させるため(無方式主義、著作権法51条1項)、著作物の創作から著作権の発生までの期間における著作者の利益保護を図る必要がない。
※この「他法域における同様の権利」の解説は、「特許を受ける権利」の解説の一部です。
「他法域における同様の権利」を含む「特許を受ける権利」の記事については、「特許を受ける権利」の概要を参照ください。
- 他法域における同様の権利のページへのリンク