他の輸送機関の長との違い
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/21 06:28 UTC 版)
現代の航空機は最高指揮者である機長が自ら操縦することが多い。航法装置の発展していなかった時代には大型機の『機長』とは爆撃手や航空士であった。多くの軍隊では副操縦士として経験を積み指揮操縦士へ昇格、その後は機長である航空士や爆撃手になるというキャリアパスが一般的であった。このためノルデン爆撃照準器のように自動操縦装置と連動し、爆撃行程に入ると操縦が爆撃手に移管される照準器も利用されていた。 現代では航法装置やオートパイロットの進化により自動化されたため航空士は民間航空機には乗り組んでおらず、自動化しきれない部分も含めて航法の総合的判断は操縦士が行うのが一般的である。哨戒機や救難機などでは、任務に関する専門的な教育を受けた搭乗員が指揮操縦士と階級が同じ場合、機長扱いになるため『任務機長』とも呼ばれる。また機長ではなくても専門的な判断において指揮操縦士よりも命令優先権がある。海上自衛隊では戦術航空士(哨戒機)や救難航空士(救難機)が任務機長として戦術的な判断を下し、指揮操縦士は任務機長の指示に基づいて航路を設定する。 なお航空機以外では最高指揮者が操縦するとは限らない。 船舶小規模な船舶(ヨット)では『船長』(英: sea captain)が操縦者であることも多い。このように最高責任者と操舵手が兼任の場合、また軍艦の場合は『艇長』(英: skipper)とも称される(英語では区別なくcaptain)。 大型船の場合、船長は他の乗組員への指示など指揮に専念し、個別の業務は操舵手や航海士などの専門職員が担当している。 漁船では船長ではなく漁労長が責任者。 水先区と呼ばれる水域では船長に代わって水先案内人が船員に直接指示を出す。 列車通常、列車の長は車掌である。ただし、これは業務上の指示命令系統上の取扱いであって、職制上は運転士が上の場合もある。運転指令所からの指示は車掌が受け、それを車内電話や無線で運転士に伝える。ワンマン運転の場合は運転士が長となる。 宇宙船有人宇宙船の場合も最高責任者は船長と呼称するが、英語ではキャプテンではなく司令官(英: Commander(CDR))である。業務は乗組員の指揮であり、航空機よりも大型船舶の船長に近い。
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