井上良夫(いのうえ・よしお)
1908年(明41)、福岡県北九州市生まれ。父の量永は鳥井造船所で庶務課長をしていたことがあり、江戸川乱歩と同じ職場だった。また、長女のみつ代は江戸川乱歩の友人、鈴木茂と結婚している。
愛知県立五中では江戸川乱歩の後輩にあたる。中学時代には探偵小説同人誌「面影」を刊行。
1933年(昭8)以降、「ぷろふいる」に「英米探偵小説のプロフィル」「傑作探偵小説吟味」「アガサクリスティの研究」など、欧米作品の評論活動をおこない、戦前の海外作品の翻訳動向に大きな影響を与えた。
1932年(昭7)に「探偵小説」に森下雨村によって訳出されたクロフツ「樽」の訳に協力したほか、自らも1935年(昭10)に「赤毛のレドメイン一家」としてフィルポッツの「赤毛のレドメイン家」を翻訳。
さらに、クロフツ「ポンスン事件」(1936年(昭11))、ブッシュ「完全殺人事件」(1936年(昭11))、クイーン「Yの悲劇」(1937年(昭12))、スカーレット「二重密室殺人事件」(1940年(昭15))など古典的名作を多数翻訳。
1945年(昭20)、死去。
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