事件の疑問
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/09/11 09:30 UTC 版)
事件で逮捕起訴されたUは、捜査段階では犯行を自白したが、裁判では一貫して無罪を主張、しかし、裁判ではその主張が認められることは無かった。また起訴状ではガンヅメが犯行に使用されたとしていたが、実際の殴打痕とは相違がみられ凶器とは特定できなかった。だが、二審では有罪となった。直後の記者会見で裁判官の牛尾守三が「凶器が確定できず苦しかった。しかし、状況証拠から被告人以外に犯人は考えられない」と異例の釈明会見をした。1973年9月25日に最高裁が上告を棄却し有罪判決が確定し、無期懲役が確定した。 その後、被害者が殺害されたはずの翌日に、被害者S(片足が義足という特徴があった)を山陰本線温泉津駅から出発するバスで見かけたという証言や凶器は起訴状に書かれたガンヅメではなく火かき棒である証拠を挙げて弁護人が再審請求がなされたが、1979年3月2日に広島高裁松江支部は「足が悪かったとする類似点のみで同一人物と錯覚速断した可能性が高い。凶器については火かき棒の方が被害者の傷に適合するのは認めるが、ガンヅメでも不可能ではなく火かき棒と犯行の関係が立証されていない。よって再審を開始しなければならない理由はない」として請求を棄却した。 また裁判では単独犯とされたUの身柄拘束中に外部からの匿名の告発で被害者の遺体が発見されたが、なぜ死体遺棄現場を知っていた第三者がいたかについての謎が解明されていない。
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