主宰職
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/09 03:10 UTC 版)
「アメリカ合衆国下院議長」の記事における「主宰職」の解説
下院議長は下院を主宰する役職者として様々な権限があるが、通常は多数党の他の議員にそれらを委託する。議長は議員を臨時議長(Speaker pro tempore, 仮議長とも訳す)に指名し下院を主宰させることができる。重要な議論があるとき、臨時議長は宰領の能力故に選ばれた多数党の古参議員となるのが通常である。その他の場合、より若手の議員が宰領を任されて下院の規則や手続に関する経験を積むようにされている。議長は特別の目的で臨時議長を指名することもできる。例えば、長い休暇の間には、ワシントンD.C.に近い選挙区選出の議員が成立した法案に署名するために臨時議長に指名される。 議長席にあって本会議を主宰する役職者は何時も「ミスター・スピーカー」あるいは「マダム・スピーカー」と呼ばれ、これは議長が自ら主宰していないときでも同じである。本会議を全院委員会に切り替えるに際して、議長は1人の議員を全院委員長に指名し、全院委員長またはその指名する代行者は本会議場の議長席にあって議事を司る。全院委員長に限らず、委員長およびその代行者は「ミスター・チェアマン」あるいは「マダム・チェアウーマン」と呼ばれ、各々の委員会を主宰する。議員は発言に際して議長席の議事主宰者(議長、臨時議長、委員長、委員長代行)の許可を求めなければならない。議事主宰者は、発言を許可するか否かの裁定によって議論の流れを制御できる。議事主宰者はあらゆる議事進行上の裁定を下すことができるが、議場に対して諮っても良い。議長は下院における秩序を維持する責任があり、守衛官に命じ、議員その他の者に対して規則に従うことを強制する権限もある。 下院議長の権限と義務は議場を主宰すること以外にも及んでいる。特に議長は委員会の進行に強い影響力を持っている。また、多数党会派の承認を得て、議院運営委員会委員13人のうち9人を選出することになっている(残り4人は少数党指導層が選ぶ)。さらに、特別委員会や協議委員会の全委員を指名している。また法案が提出されたとき、どの委員会でそれを検討するかを決定する。議長は議員として議論と投票に参加できる資格がある。しかし、慣習的には特別な事情が或る場合を除きそれは行わない。通常その1票が決着を付けることになるとき、および非常に重要な問題(憲法修正など)にのみ実行する。
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