主なプロデュース・ワーク
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「ヒュー・パジャム」の記事における「主なプロデュース・ワーク」の解説
ポリス 1981年のアルバム『ゴースト・イン・ザ・マシーン』からポリスのプロデューサーとして参加し、アルバム『シンクロニシティー』を経て、スティングのソロ作品なども含め、ポリス及びスティングのサウンド・メイキングに貢献している。スチュワート・コープランドのバス・ドラムに掛けられたアタック以外はほぼノイズゲートでカットされたドラム・サウンドなどはヒュー・パジャム・サウンドの特徴にもなっている。 フィル・コリンズ フィル・コリンズのシングル「In the Air Tonight」などで有名になった部分もあり、その後、現在に至るまでプロデューサー/ミュージシャンとプロデューサー/エンジニアとしての関係を維持している。1985年にリリースされたアルバム『フィル・コリンズIII』では、ローランド製のTR-808というドラム・マシーンとフィル・コリンズのドラムスをミックスさせる手法や、得意のゲート・リバーブ処理など様々な先進的なミキシングが施され、当時のミキシング・エンジニアに対して与えた影響は大きかった。そして1989年にリリースされたアルバム『バット・シリアスリー』では、アース・ウィンド・アンド・ファイアーのホーン・セクションである、フェニックス・ホーンズの収録方法とミキシングの方法など、フィル・コリンズの一連作品がヒットを連発した要素にもなっていて、フィル・コリンズからの信頼度は非常に高いことがインタビューなどからも窺い知れる。フィル・コリンズやピーター・ガブリエルとの仕事は、当時フィル・コリンズが在籍していたジェネシスのアルバム制作へも引き継がれ、1980年代には彼らにも数多くのヒット作品をもたらした。 XTC XTCの1980年のアルバム『ブラック・シー』制作時には、プロデューサーはスティーヴ・リリーホワイトで、ヒュー・パジャムはチーフ・エンジニアとして参加していた。このアルバム・セッションの中から生まれたヴァージン・レーベル・サウンドとも呼称されるドラム・サウンドはアルバムを通して聴くことができ、瞬く間に業界中に飛び火してゲーテッド・リバーブ処理は最先端のエフェクト処理としてミキシング現場ではもてはやされることになった。1982年のアルバム『イングリッシュ・セツルメント』では、ヒュー・パジャムがプロデューサー/エンジニアとして参加していて、このアルバム収録曲の「Ball and Chain」などでは、ドラムのルーム・アンビエンス 用に立てたマイクロフォンから収音されたドラム・ルーム・サウンドをミキシング時に使用していたSSL社製のミキシング・コンソールに搭載されているListen Mic 回路に内蔵されているリミッター回路を通した大胆なドラム・サウンド作成や、リバーブを使ったゲーテッド・リバーブが随所に使われている。 デヴィッド・ボウイ 1984年発売のアルバム『トゥナイト』にデヴィッド・ボウイとの共同プロデューサーとして参加した。このアルバムでもヒュー・パジャム独特なドラム・サウンドは聴くことができ、ベースの存在感とドラムのゲーテッド・リバーブなどが特徴になっている。シンセサイザーの処理に関しても特徴的なところがあって、フィル・コリンズがどちらかというとシーケンスを多用した作り方になっているため得意とするためか、このアルバムでもシンセサイザーと生楽器のミキシングが聴き所になっている。 ポール・マッカートニー 1986年に発売された『プレス・トゥ・プレイ』にポール・マッカートニーとの共同プロデュースで参加している。ポール・マッカートニーのアルバムとしてはバッキング・トラックで聴くことができるサウンドは派手な傾向になっていて、ゲーテッド・リバーブ以外にも、ロング・ディレイやロング・リバーブなど、様々なミキシング・テクニックが聴ける作品になっている。
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