中石器時代の人々
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 15:46 UTC 版)
「新石器時代のヨーロッパ」の記事における「中石器時代の人々」の解説
最初期の現生人類 — ホモ・サピエンス — がヨーロッパへ入ったのはおそらく50,000年ほど前、長い間氷期のとくに気候が穏やかな、ヨーロッパが比較的温暖で、食料が豊富だった時期の間である。南フランスにあるラスコーの洞窟壁画のような、世界最古の芸術作品のいくつかはこの移住から程ない時期であると年代測定可能である。ネアンデルタール人はすでに約15万年もそこにいたと考えられているが、おそらく寒冷期に現代人との争いに敗れ、約30,000前に絶滅したようである。どの程度まで現代人がネアンデルタール人と異種交配していたのかは – もし少しでもしていたなら – 未だ議論の余地がある。最後の氷期にヨーロッパははるかに寒冷で厳しい環境となり、北部の大部分は荒涼たる氷河に覆われた。氷河が後退し始めた、およそ20,000年前、人類は再び北方へ移住した。この人口集団は紀元前7千年紀中石器時代のヨーロッパで新石器時代の文化が初めてアナトリアからヨーロッパに入り始めたときにあるがままの状態であった。 もし新石器時代のヨーロッパへの移民が本当にインド・ヨーロッパ語族であったなら、非インド・ヨーロッパ語族を話す人々は明らかに中石器時代の生き残りの候補である。ピレネー山脈のバスク人が最も強力な事例を提示している。なぜならば彼らの言語は世界の他のどの言語とも関係なく、バスクの人々には類のない遺伝的特徴があるからである。北東ヨーロッパの、ウラル語族を話す人々(たとえばフィン人)が中石器時代の人々の生き残りであることも示唆されている。その他の現在のヨーロッパの非インド・ヨーロッパ語族—トルコ語、マルタ語、およびマジャール語—は歴史時代に伝来した。いくつかの絶滅したヨーロッパの言語は非インド・ヨーロッパ語族であると思われる(たとえばエトルリア語)が、これらが中石器時代の生き残りであるのかそれ以後の移住の結果であるのかは不明である。
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