中国共産党の工作説
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アメリカ人ジャーナリストのフレデリック・ヴィンセント ウィリアムズの著書 Behind the news in China (Nelson Hughes, 1938) によれば、事件の背後には中国共産党の工作があった。 加藤久米四郎は『戦線を訪ねて国民に愬ふ』(1937年、東京朝野新聞出版)において、中国共産党や北京大学・南海大学の学生などが主導して「日本人を殺せ」とやったのであり、また通州だけでなく、天津と北京でも同じように学生や国民政府工作機関藍衣社、便衣兵が軍人ではない、日本人の民間人をピストルなどで殺害したと述べた。 盧溝橋事件で日本軍と衝突した第29軍の枢要な地位には複数の中国共産党員が就いていた。また、中国共産党は冀東防共自治政府と保安隊にも抗日分子を浸透させて日本人襲撃計画を立てていた。事件を実行した保安隊幹部の張慶餘と張硯田は第29軍と密通しており武装蜂起の機会を窺っていた。このことから、通州事件も中国共産党の謀略によるテロであった可能性が高いとされている。 張慶余の回想録などによれば、冀東保安隊張硯田の部隊にも中国共産党支部が結成されていた。 松田純清によれば、通州事件は中国共産党編纂『現代史文献』では全く取り上げられていない。
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