世界観への影響
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 14:58 UTC 版)
『東方見聞録』は、中世におけるヨーロッパ人のアジア観に変化を与えた、キリスト教的世界観である普遍史はエルサレムを世界の中心とするマッパ・ムンディで図案化されてきたが、マルコ・ポーロの報告はパクス・モンゴリカの成立によるアジアの新情報ともども変更を迫られた。イシドールスの『語源』以来ヨーロッパ人が持っていた怪物や化け物的人類が闊歩する遠方アジア観「化物世界史」の誤りを数多く指摘した。 マルコ・ポーロ以降も極東の島・日本はまだ見ぬ憧憬の国であり、様々な形で想像され、世界地図に反映されることになった。 マルコの報告が大航海時代を開く端緒のひとつになったという考えもある。1453年に作成されたフラ・マウロの世界図に対して、ジョヴァンニ・バッティスタ・ラムージオ(英語版)は以下のコメントを寄せている。 That fine illuminated world map on parchment, which can still be seen in a large cabinet alongside the choir of their monastery (the Camaldolese monastery of San Michele di Murano) was by one of the brothers of the monastery, who took great delight in the study of cosmography, diligently drawn and copied from a most beautiful and very old nautical map and a world map that had been brought from Cathay by the most honourable Messer Marco Polo and his father. この羊皮紙に描かれたすばらしい世界地図は、宇宙誌を学ぼうとする者に偉大なる光を与えたもう僧院のひとつである(ムラーノのサン・ミッシェル、カマルドレセ)修道院の聖歌隊席の横にある大きな飾り棚に見ることができる。克明に写され描かれた至上の美しさといにしえの知を伝える海図と世界地図は、最も高貴なる伝達者マルコ・ポーロとその父がキャセイ(中国)より伝えしものである。 — ジョヴァンニ・バッティスタ・ラムージオ
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