不良品と消費者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/16 02:30 UTC 版)
不良品は、生産過程で一定数発生する。しかし多くのメーカーでは、それらが消費者の手に渡る前に廃棄ないし修理するなどといった対応で、出荷する製品に不良品が出ないようにしている。 しかし検査工程のミスや輸送上のトラブル(水濡れ・結露・衝撃を受けたなど)により、消費者の手元にきちんと動作しない製品が渡ることも稀に発生する。特に電子機器の多くでは、一定期間の間、動作させないと発現しない故障・異常もあるため、検査漏れが発生する事もある。(→エイジング) このため家電等の分野を中心に、様々な工業製品では保証期間を設けて一定期間内に故障した製品の無償修理や交換を消費者に約束するメーカーが多い。これらは購入時期を特定する保証書を製品に添付、販売店側で購入時期と販売店を記入させる事で対応している。また、購入直後から正常に動作しない初期不良の状態では、販売店側の判断により販売後1週間程度は購入直後からの問題とみなし初期不良として、無償で不良品と在庫商品との交換対応を行う場合もある。概ね家電量販店チェーンではこういった対応を見せ、その場(店頭)で交換される傾向にあるが、商店側の自主判断であるため、必ずしもこのような対応がとられるとは限らない。一方で、補償期間直後に、これといって問題のある使い方をしていないにもかかわらず、製品が故障する場合もある(→ソニータイマー)。 輸送機械では、故障が人身事故(航空機では墜落)に繋がるケースもあるため、特に設計上や部品製造上の不具合による故障が起こり得る製品に対しては、一旦メーカーに差し戻して無償で修理させるリコール制度もある→リコール (自動車)。家電製品でも設計上や部品の不具合による故障が発煙、発火など生命の危険につながる場合、自動車などと同様にメーカーの責任で無償で修理する措置が取られる。 兵器では、不良品の使用によって味方兵士など意図しない物への被害が出る恐れがある。使用した爆弾や榴弾の中に不良品が混じっていた場合、敵を殺傷しようとして使ったときには炸裂せず、殺傷できたはずの敵に攻撃される。後からふとしたきっかけで炸裂し、攻撃対象では無い物(それは同士討ちかもしれないし、民間人かもしれない)を殺傷してしまうということもありうる。すなわち不発弾である。
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