不法行為地法の意義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/09 04:01 UTC 版)
「不法行為の準拠法」の記事における「不法行為地法の意義」の解説
日本では、2007年1月1日から施行された法の適用に関する通則法(平成18年法律第78号、以下「通則法」という)によって全面改正される前の法例(明治31年法律第10号)において、原則として「原因タル事実ノ発生シタル地」が不法行為の成立及び効力の準拠法になるのを原則としつつ(法例11条1項)、日本国外で発生した事実が日本法によれば不法ではない場合には、当該不法行為地法を適用しないとともに(同条2項)、日本国外で発生した事実が日本法によっても不法な場合であっても、日本法が認めた損害賠償その他の処分しか請求できない(同条3項)ものとしていた。 通則法においても、不法行為地法と法廷地法を併用する立場は貫かれているが、解釈上分かれていた点の明確化や準拠法の選択の柔軟化がされている。 まず、隔地的不法行為における不法行為地の意義に関して解釈が分かれていた点について、被害者保護の観点から「加害行為の結果が発生した地」と規定することにより、結果発生地説を採用することを明確にした(通則法17条本文)。ただし、これを貫くと、通常は想定されない地で加害行為の結果が発生した場合に、加害者にとって予見できない事態が生じる場合もある。そのため、「その地における結果の発生が通常予見することのできない」場合には、例外的に加害行為が行われた地の法を適用するものとしている(同条但書)。
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