上下から見られたときの背景同化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/11 17:56 UTC 版)
「カウンターシェーディング」の記事における「上下から見られたときの背景同化」の解説
丸っきり異なる機能も考えられる。動物(軍用車両も)の体色の天面と底面で別々に迷彩を施し、上と下のそれぞれの背景に同化するためというものである。これについては1892年にフランク・ベダードが書き記している: Among pelagic fish it is common to find the upper surface dark-coloured and the lower surface white, so that the animal is inconspicuous when seen either from above or below.(外洋に住む魚の中では、上や下から見られたとき目立たなくなるように、上面が暗色で下面が白色になっているものは珍しくない。) — Frank Evers Beddard、Beddard, 1892. p. 122. アルフレッド・ラッセル・ウォレス、ベダード、コットクレイク(Craik)といった研究者も初期からこのようなことを論じあっていた。外洋を泳ぐ魚類、すなわちカジキやサバやサメ、魚類ではないがイルカやペンギンも含めて、これらにおいては暗い色の上面と白に近い色の下面とが、はっきりと色分けされている。 上から見た場合に、こういった動物の暗い色の背面は下に広がる深海の闇に対しての迷彩になるのだという。下から見た場合には、同様に腹部周辺の明るい色によって、上に見える太陽光が差し込む海面とのコントラストが極めて小さくなる。 これを証明する例は鳥にもある。海面すれすれよりは少し潜ったところで魚を取る鳥もこのような色合いになっていることが多く、この獲物からすると鳥の下面しか見えない。カウンターシェーディングとしてひとまとめにされている色彩パターンの役割のそれぞれは、どれもあり得るものだが個別に検証されるべきだとローランドはまとめた。
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