一朱金とは? わかりやすく解説

いっしゅ‐きん【一朱金】

読み方:いっしゅきん

江戸時代金貨の一。形は正方形。1両の16分の1にあたる。文政一朱金。→両【一】3


一朱金

読み方:イッシュキン(isshukin)

江戸時代金貨最小単位


一朱金

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/16 03:21 UTC 版)

一朱金(いっしゅきん)とは、江戸時代に流通した金貨の一種である。 一朱判(いっしゅばん)、または発行が文政期のみであったことから文政一朱判(ぶんせいいっしゅばん)、あるいはその形状から角一朱金(かくいっしゅきん)ともいう。

概要

文政一朱判

形状は正方形。表面には、五三の桐紋と下部に「一朱」の文字が刻印されている。 裏面には「光次」の署名が刻印されている。

額面は1。その貨幣価値は、1/16、また1/4に相当する。 二朱金二分金とともに小判一分判に対し一両あたりの含有金量が低く抑えられ、補助貨幣的に用いられた[1]

江戸幕府の発行した1朱という額面の貨幣としては最初のものである。世界的に見ても、金貨としては最も品位(金純度)の悪いものであった。他の小判および分金同様に製造時に表面の銀を溶解する色揚げ操作が行われていたが、江戸時代の他の金貨と比較しても金色が落ちて金と銀の中間のような色をしており、流通による磨耗からすぐに銀色の地金が姿を現し、さらに火災に遭うと固体拡散のためか銀貨同然の光沢となったという。また通常、小判および分金は製造過程で一枚ずつ厳密な量目(質量)の検査が行われるが、この一朱判に関しては、五両ないし十両一括で量目の検査が行われるという始末であった[2]

文政7年(1824年)5月から鋳造が始まり、同年7月2日より初めて発行されたが、純度も低く偽金貨のような色を呈し割れやすいもので、 その上、小さくて扱いづらく紛失しやすい事もあり不評であった[3]天保3年(1832年)に鋳造終了、天保11年(1840年)9月末には通用停止となった。

それ以降、1朱という額面の貨幣は一朱銀に取って代わられる事になる。

鋳造開始・品位・量目・鋳造量

名称 鋳造開始 規定品位
分析品位(造幣局)[4]
規定量目 鋳造量
文政一朱金 文政7年
1824年
三百五十匁位後に三百六十五匁位
(12.6%→12.1%)
金12.31%/銀87.40%/雑0.29%
0.375
(1.40グラム)
2,920,192
(46,723,072枚)

参考文献

  1. ^ 青山礼志 『新訂 貨幣手帳・日本コインの歴史と収集ガイド』 ボナンザ、1982年
  2. ^ 三上隆三 『江戸の貨幣物語』 東洋経済新報社、1996年
  3. ^ 瀧澤武雄,西脇康 『日本史小百科「貨幣」』 東京堂出版、1999年
  4. ^ 『日本大阪皇國造幣寮首長第三周年報告書 ディロンの報告』 造幣寮、1874年

「一朱金」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



一朱金と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「一朱金」の関連用語

一朱金のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



一朱金のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの一朱金 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS