制度としての甲州金
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/08 16:14 UTC 版)
戦国期には、各地の大名が金貨を鋳造したが、それらは重さで価値を計る秤量貨幣であった。それに対して甲州金は、金貨に打刻された額面で価値が決まる計数貨幣である。 甲州金で用いられた貨幣の単位は以下の通りで、4進法・2進法が採用されていた。 両(りょう) 分(ぶ、1/4両) 朱(しゅ、1/4分) 朱中(しゅなか、1/2朱) 糸目(いとめ、1/2朱中) 小糸目(こいとめ、1/2糸目) 小糸目中(こいとめなか、1/2小糸目) この体系のうち、両・分・朱は江戸幕府に引き継がれる。 「金に糸目をつけない」の糸目とは、この甲州金の通貨単位に由来する。すなわち僅かなお金は気に留めないということである[要出典]。(通常は、「糸目」とは、凧につける糸のことであり、それを付けないとは、凧の動きを制限しないように、物事に制限をしないことをいうと説明される。) 額面は重量に比例するように打刻され、一両(露一両金・駒一両金)・一分金・二朱金・一朱金・朱中金・糸目金など切りの良い単位だけでなく、古甲金では二分一朱金(1/2+1/16=9/16両)・一分朱中糸目金(1/4+1/32+1/64=19/64両)など中途半端な値をそのまま打刻したものもあった。
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