ワインの劣化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 14:03 UTC 版)
「マロラクティック発酵」の記事における「ワインの劣化」の解説
マロラクティック発酵が関係する劣化現象のなかでも最も一般的なのは、意図しない状況でマロラクティック発酵が発生してしまうというものである。例えばリースリングのような酸味がありフルーティーなワインにおいて発生してしまう、あるいは既にマロラクティック発酵を終え瓶詰されているワインに瓶内で再度マロラクティック発酵が開始してしまう、といったケースが該当する。瓶内でマロラクティック発酵が起きた場合、炭酸ガスが多く濁ったワインになってしまうことがあり、そうなると消費者からは忌避される。ワイナリー内で、衛生管理を徹底し乳酸菌をコントロールすることで、このような劣化は抑制できる。 初期のヴィーニョ・ヴェルデにおいては、瓶内でのマロラクティック発酵に由来するわずかな発泡はこのワインの顕著な特性であるとみなされ、消費者もそれを選好していた。しかし、このマロラクティック発酵に由来する澱と濁りを隠すために不透明な瓶に詰めて売り出す必要があった。今日では、この手法を用いているヴィーニョ・ヴェルデの生産者はほぼおらず、代わりに瓶詰め前にマロラクティック発酵を完了しておき、瓶詰めの際に人工的に炭酸ガスを吹き込むことで微炭酸を実現している。 必ずしも劣化であるとはいえないが、マロラクティック発酵によりワイン中のタンパク質が不安定化することが起こりうる。これはワインのpHが変化することで、タンパク質の溶解度に影響を与えるためである。このため、清澄と熱安定性試験は通常マロラクティック発酵を完了させた後に行う。
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