ロータス98Tとは? わかりやすく解説

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ロータス・98T

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/28 19:01 UTC 版)

ロータス・98T
1986年イギリスGPにてアイルトン・セナ
ドライブする98T
カテゴリー F1
コンストラクター ロータス
デザイナー ジェラール・ドゥカルージュ
マーティン・オジルビー
先代 ロータス・97T
後継 ロータス・99T
主要諸元[1]
シャシー カーボンファイバー ケブラー アルミニウム ハニカム モノコック
サスペンション(前) ダブルウィッシュボーン, プルロッド コイルスプリング ダンパー, アンチロールバー
サスペンション(後) ダブルウィッシュボーン, プルロッド コイルスプリング ダンパー, アンチロールバー
トレッド 前:1,816 mm (71.5 in)
後:1,620 mm (64 in)
ホイールベース 2,720 mm (107 in)
エンジン ルノー・EF15B英語版, 1,492 cc (91.0 cu in), 90度 V6, ターボ, ミッドシップ, 縦置き
トランスミッション ロータス / ヒューランド製 6速 MT
重量 540 kg (1,190 lb)
燃料 エルフ
タイヤ グッドイヤー
主要成績
チーム ジョン・プレイヤー チーム・ロータス
ドライバー 11. ジョニー・ダンフリース
12. アイルトン・セナ
コンストラクターズタイトル 0
ドライバーズタイトル 0
初戦 1986年ブラジルグランプリ
出走 優勝 ポール Fラップ
16 2 8 0
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ロータス98T (Lotus 98T) は、チーム・ロータス1986年のF1世界選手権参戦用に開発したフォーミュラ1カー。設計はジェラール・ドゥカルージュ

98T

前年の97Tの改良版。エンジンは新たにニューマチックバルブ英語版を備えたルノー・EF15B英語版を搭載する。主な変更点としては、1986年からのレギュレーションに合わせて燃料タンク容量が195リットルとされたこと、ボディーカウルがサイドポッド下端までの一体型とされたことなどである。サスペンションやタイヤなどは基本的に97Tから変更されていない。フロントホイール後方に小型サイドディフレクターを装着。後のバージボードの原型である。

この年でJPSとのスポンサー契約が終了したため、黒とゴールドのJPSカラーをまとった最後のロータスF1マシンとなった。

98Tはシャシーナンバー1から4までの4台が作成された。このうちシャシーナンバー1は年間を通じ、全てのレースでスペアカーとして登録された[2]。このシャシーナンバー1はロータス内で「Qカー」と呼ばれ、セナのポールポジションはすべて予選用エンジンを搭載したこのシャシーで記録された[3]

1986年シーズン

前年のエースドライバー、エリオ・デ・アンジェリスはチームを去り、アイルトン・セナがエースに昇格する。チームメイトにはスポンサーのJPSの希望で英国人ドライバーを選ぶことになった。チームとしてはデレック・ワーウィックとの契約を予定していたが、セナが「トップドライバーが2人いることは、チーム力の分散になる」とワーウィックを拒否し、同郷かつ当時英国にて同居していたマウリシオ・グージェルミンを推した。結局、双方の妥協点としてジョニー・ダンフリーズがロータスのシートを得た。

98Tはセナのドライブにより16戦中8回のポールポジションを獲得した。ターボ勢同士による上位争いに加わり、第7戦アメリカGP終了時点でセナがポイントリーダーとなる。しかし、ルノーエンジンはマクラーレンTAGウィリアムズホンダに比べて、決勝での信頼性が劣り、2回の優勝、ドライバーズランキング4位に留まった。

僚友のダンフリーズは、6速ギヤボックスの開発を担当したが信頼性が不足しており、完走6回入賞2回でシーズンを終えることとなった。また、最終戦のアデレードでは車載カメラを搭載して走行した。

スペック

シャーシ

エンジン

  • エンジン名 ルノーEF15,15B,15C
  • 気筒数・角度 V型6気筒・90度
  • 排気量 1,500cc
  • スパークプラグ チャンピオン
  • 燃料・潤滑油 エルフ

記録

No. ドライバー 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 ポイント ランキング
1986 BRA
ESP
SMR
MON
BEL
CAN
DET
FRA
GBR
GER
HUN
AUT
ITA
POR
MEX
AUS
58 3位
11 ジョニー・ダンフリーズ 9 Ret Ret DNQ Ret Ret 7 Ret 7 Ret 5 Ret Ret 9 Ret 6
12 アイルトン・セナ 2 1 Ret 3 2 5 1 Ret Ret 2 2 Ret Ret 4 3 Ret

脚注

  1. ^ http://www.statsf1.com/en/lotus-98t.aspx
  2. ^ Hamilton, Maurice (ed.) (1986). AUTOCOURSE 1986-87. Hazleton Publishing. pp. p.229. ISBN 0-905138-44-9 
  3. ^ 津川哲夫 (1988). F1グランプリボーイズ. 東京都文京区: 株式会社講談社. pp. pp.154-ff. ISBN 4-06-203487-5 



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