ロジャーノミクスの評価
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/04 03:35 UTC 版)
「ロジャーノミクス」の記事における「ロジャーノミクスの評価」の解説
ロジャーノミクスは哲学なき政策であり現在もその政策は完成していないといわれる。1980年代にロジャーノミクスが行われていなければニュージーランドの国際的地位も現在とは異なるとの論評もある。 21世紀のニュージーランドはロジャーノミクスが土台にあり、世界で最も規制が少なく、国際市場での競争力の向上、サービスの向上など一定の評価もされる。他方、高い失業率の発生や医療崩壊、犯罪の増加、高等教育の質の低下、長期間の不況を招いたとの指摘もある。また専門職を担う人材の海外流失など将来を担う人材問題も指摘されている。 ロジャーノミクスはその後の政権でも受け継がれ、ニュージーランド航空の再国有化、国営のキーウィ銀行設立など、市民生活に影響を与える行き過ぎた改革が見直された一方、徹底した公共部門の見直し、外部委託・民営化を始め、任期付き公務員の採用、対外債務の解消など、行財政改革は引き続き行われた。 ロジャーノミクスは第4期ニュージーランド労働党政権のみならず、その改革はその後発足したボルジャー、シップリー、クラーク、キー政権でも継承され、すべての改革はロンギ政権のみで行われていない。国有資産の多くはボルジャー政権で売却され、その売却先の多くはアメリカ、オーストラリア、カナダなど英語圏の白人を主体とする国家であったがゆえに国有資本売却に伴う国民の心理的影響は少なかったとの見方が強い。 後年ダグラスはロジャーノミクスとレーガノミクスの違いについて、財政赤字を解消したロジャーノミクスに対し、財政赤字を拡大させたレーガノミクスとの違いを強調しているが、サッチャリズムとの明確な違いについては明言をさけている。
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