レンズユニットスイング方式
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/11 15:01 UTC 版)
「手ぶれ補正機構」の記事における「レンズユニットスイング方式」の解説
振動ジャイロセンサーで手ぶれを感知し、イメージセンサー(撮像素子)を含むレンズユニット全体を手ぶれに応じて微小回転させることによって撮影光軸を一定に保つ方式。 他の手ぶれ補正方式、すなわちイメージセンサーと被写体像の位置関係を補正する方式とは補正の原理が異なり、使用者の手によってカメラ外装に与えられる手ぶれ振動をレンズユニットまで伝えないようにする、いわゆる免振システムの一種である。イメージセンサーと一体化したレンズユニット全体をカメラ内部で手ぶれに逆らう方向に微小回転させるので、イメージセンサーまでを含めた光学系全体の要素位置関係を崩すことなく手ぶれ補正できる。原理的には単純な方式であるため、他の方式のような特殊な専用光学設計や画像処理回路などを必要とせず、手ぶれ補正に伴うノイズ強調・画素数ロス・光学収差の劣化対策などの設計的な諸問題とも無縁である。しかし、レンズユニットが大型である場合は機構の大型化や消費電力増大などの問題が大きく、またレンズユニットの一部が外部に突出している製品には適用しにくいという使用上の制約があるため、一眼レフタイプやレンズユニット繰り出しタイプなどのカメラ形態には適さない。 1989年6月にパナソニックが民生機で初めて手振れ補正機構 (EIS=Electric Image Stabilizer) を内蔵したS-VHSフルカセットのビデオカメラNV-M900を発売した。このカメラでは撮影時のパンニングに対応して、垂直方向のみ補正を行う機能も併せ持っている。2005年にはコニカミノルタ社が、コンパクトデジタルカメラ向けの新型Anti-Shake機能であるレンズユニットスイング式手ぶれ補正を採用したDiMAGE X1を発売した。2012年にソニーが空間光学手ブレ補正機能としてHDR-CX720VとHDR-PJ760Vのビデオカメラに採用した。
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