レベル III: 量子力学における多世界解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 17:59 UTC 版)
「多元宇宙論」の記事における「レベル III: 量子力学における多世界解釈」の解説
ヒュー・エヴェレットの多世界解釈 (MWI) は、量子力学の解釈のいくつかある主流の一つである。量子力学の一つの側面として、ある観測は絶対的に予測することができないというものがある。代わりに、異なる確率を持つ起こりうる観測の幅がある。MWIによると、これらの起こりうるそれぞれの観測は異なる宇宙に対応する。6面のさいころが振られたとすると、その各結果が量子力学の可観測量に一致する。さいころは、すべての6通りの可能性に対応する6つの異なる宇宙に落ち込む。(より正確には、MWIでは単一宇宙(英語版)のみが存在するが、多世界へ分裂してからはそれらは一般的に相互作用することができない。) テグマークは、レベルIII 多元宇宙はハッブル体積内にレベルI-II 多元宇宙よりも多くの確率を含まないと議論する。事実上、同じ物理定数を持つレベルIII 多元宇宙において"分裂"によって創られたすべての異なる"世界"は、レベルI 多元宇宙におけるいくつかのハッブル体積の中に見つけることができる。テグマークは次のように述べている。レベルI およびレベルIII の唯一の違いは、どこにあなたのドッペルゲンガーが住んでいるのかの違いである。レベルI では、それらは三次元空間内のあらゆるところに住んでいる。レベルIII では、それらは無限次元ヒルベルト空間における他の量子的に分岐した世界に住んでいる。同様に、異なる物理定数を持つすべてのレベルII 泡宇宙は、事実上、レベルIII 多元宇宙における自発的対称性の破れの瞬間に"分裂"によって創られた"世界"として見出すことができる。野村泰紀、およびラファエル・ブッソ、レオナルド・サスキンドによれば、これは多元宇宙論に現れる時空の概念が冗長なものであるからであり、このことはレベルIからレベルIIIまでの多元宇宙は実際には等価なものであることを意味する(「マルチバース = 量子的多世界」仮説)。 多世界のアイデアに関連するものは、リチャード・ファインマンの複数の歴史解釈(英語版)およびH. Dieter Zehの多精神解釈(英語版)がある。
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