レドヴィンカとリアエンジン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 01:44 UTC 版)
「タトラ (自動車)」の記事における「レドヴィンカとリアエンジン」の解説
近代化されたリアエンジン方式の採用は、軽量化、床面低下による低重心化、振動の軽減などが実現でき、自動車の性能向上に寄与すると考えられた。また駆動輪に掛かる重量が増えることで接地性を高めることもできた。 1924年のベンツの試作スポーツカー以降、主としてドイツにおいてリアエンジン方式の試作車が出現するようになっていた。 レドヴィンカは1920年代を通じて自動車のシャーシ構造の合理化に邁進してきた。プロペラシャフトを省略できるリアエンジン方式に着目したことは、その合理化の行き着くところとしてある意味必然であった。 水冷エンジンを搭載したリアエンジン車は、1920年代から21世紀初頭に至るまで、例外なくラジエーターの搭載スペースと冷却風の流動に苦慮している。それと比較すれば、リアエンジン方式と空冷エンジンは親和性が高かった。タトラは1920年代において、中型以上の4輪車に空冷エンジンを用いていた数少ないメーカーである(他にはアメリカのフランクリンが存在する程度であった)。 また、リアエンジン方式の強みとして、エンジンもラジエーターもフロントに無い分、前頭形状のデザイン自由度が高いという点があった。これはボディスタイルを流線型とするにあたって、非常に好都合であった。 上記以外のリアエンジンのメリットとして、古くは客室でのエンジン音の抑制が挙げられていた。騒音は走るにつれて後へ取り残されると考えた者もいた。だが、実際には、自動車は音速より遙かに遅いので、発生するエンジン音を捨てて行くことなどできなかった。むしろフロントエンジン車よりもエンジンルームと客室の隔壁面積が大きくなるため、実のところ遮音・遮熱面では不利である。
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