レシプロエンジンとの排気量換算
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/01 00:59 UTC 版)
「ロータリーエンジン」の記事における「レシプロエンジンとの排気量換算」の解説
ロータリーエンジンの出力軸回転数とは、ローターではなくエキセントリックシャフトの回転数であり、これが4ストロークレシプロエンジンのクランクシャフト回転数に相当する。ロータリーエンジンは1ローター当たり、エンジン回転数1回転に1回単室容積分の空気を吸入するため、1気筒当たり、エンジン2回転に1回単気筒容積分の空気を吸入する4ストロークレシプロエンジンの2倍の吸気回数を持つ(詳しくは下記「動作」を参照のこと)。すなわち、ロータリーエンジンの実質吸気量は「単室容積xローター数x2」となる。このため内燃機関工学分野においては 当初から現在まで一貫して換算係数2が用いられている。 日本の自動車税課税時の排気量区分は、「単室容積×ローター数×係数1.5」として換算される。これはロータリーエンジンの出力が「単室容積xローター数x1.5」程度の換算吸気量のレシプロエンジンと同等だったためである。 モータースポーツ分野においては、ロータリーエンジンデビュー期には工学的にロータリーエンジンの排気量に係数「2」を掛け、その値をレシプロエンジンの排気量区分に当てはめていた。しかしレシプロエンジンの約2倍の空気(と燃料)を吸入しながら出力は1.5倍程度しか得られないため「燃料消費率が3割悪い」という性質を持ち、特にモータースポーツにおいては燃料タンク容量や燃料消費に伴う車重変化まで考慮するとレシプロエンジンとの平等な排気量換算は極めて困難である。そのため競技の種類(例えばスプリントレースか耐久レースか、など)によって異なる換算係数が用いられたり、またF1などのようにロータリーエンジンの使用を認めない競技がある。
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