ランドパターン・マスケット
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/22 09:21 UTC 版)
「ブラウン・ベス」の記事における「ランドパターン・マスケット」の解説
17世紀から18世紀初頭までの間、ほとんどの国が軍用銃器の規格を定めていなかった。銃器は、1745年頃までは将校や連隊が個人的に調達しており、彼ら個人の好みに合わせて作られることが多かった。戦場で銃器が活躍するようになると、規格がないために弾薬や修理用具を他の隊と共有することが困難になってしまった。そのため、軍は画一化された規格に沿った銃器を採用するようになった。ブラウン・ベスの銃身、閉鎖機構、スリング用の金具など応力のかかる部分は鉄製が基本であり、バットプレート、トリガーガード、ラムロッド・パイプなどその他の部品は鉄や真鍮で作られていた。重量は約4.5kgで、17インチ(432mm)の銃剣を装備することが可能であった。銃剣の突起が雑なフロントサイトとして機能したが、この銃には照準器がなかった。本銃の命中精度は、他のマスケットライフルと同様にそれほど良いものではなかった。1811年、ロンドンで本銃の試射が行われた。標的は歩兵や騎兵の隊列と同じ大きさの木の盾であった。試射の結果は、100ヤード(91.44m)で53%命中、200ヤード(182.88m)で30%命中、300ヤード(274.32m)で23%命中というものであった。ブラウン・ベスの命中率は、18世紀から19世紀にかけての他のスムースボア・マスケットのほとんどに匹敵するものであった。しかし、これはほとんど訓練を受けていない一般兵士が撃った結果であることを念頭に置くべきである。本銃を持っていた兵士のほとんどはもっと訓練を受けており、正確な射撃を教えられていた。ブラウン・ベスはその有効射程圏内であれば致命的な威力を発揮した。18世紀半ば、ロバートソンはマスケット銃の弾速を弾道振子で測定した。彼によると、マスケット弾の速度は、毎秒1804フィート(550m/s)程度であった。つまり、マスケットの銃口エネルギーは約3,500〜4,000Jであり、これは現代の7.62x51mm NATO弾のエネルギーに匹敵するものであった。
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