ラディカル・唯物論フェミニズム
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「女性解放運動 (フランス)」の記事における「ラディカル・唯物論フェミニズム」の解説
モニック・ウィティッグ 一方、フランスでLGBT運動が始まったのもこの時期であり、女性・男性の同性愛者のグループが団結して同性愛革命行動戦線(フランス語版)(FHAR) が結成されたのは1971年。同年4月に、この運動から独立して、デルフィ、ウィティッグ、ボネらがラディカル・フェミニスト・レズビアン運動「赤いレズ(フランス語版)」を結成した。とりわけ、唯物論フェミニズムのモニック・ウィティッグはレズビアンの立場から、「レズビアンは女ではない」、「レズビアンは、私が知る限り唯一、性のカテゴリーを超越する概念である」として男・女の二元論を打破しようとした。 クリスティーヌ・デルフィ 同じくボーヴォワールの思想を継承し、これを克服しようとしたラディカル・唯物論フェミニズムのクリスティーヌ・デルフィは、資本主義が女性を抑圧・搾取するというマルクス主義の主張を批判し、資本主義生産様式以外に、結婚により制度化された社会関係において女性が無償家事労働を強いられる家内制生産様式が存在すると論じ、したがって、女性の「主要な敵」は家父長制であるとした。デルフィは後にボーヴォワールと共に『フェミニズム問題(フランス語版)』(1977) および後続誌『新フェミニズム問題(フランス語版)』(1981) を創刊。現在も編集主任を務めている。 エリザベット・バダンテール また、エリザベット・バダンテールもボーヴォワールの思想を継承する「平等派」の一人であり、女性解放運動からは距離を置いていたが、とりわけ、いわゆる「母性愛」は本能ではなく、母親と子どもの関係において育まれる愛情であり、これを「本能」とするのは、「父権社会のイデオロギーであり、近代が作り出した幻想である」とした『母性という神話』(1980) により、女性学において先駆的な役割を果たした。
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