ラインバンドルと因子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/29 06:10 UTC 版)
このセクションは改善の必要がある。理由は、シンボル O , O ∗ {\displaystyle {\mathcal {O}},{\mathcal {O}}^{*}} や M {\displaystyle {\mathcal {M}}} が定義なしで使われている。 O ∗ {\displaystyle {\mathcal {O}}^{*}} は X 上の正則函数の層 O {\displaystyle {\mathcal {O}}} の 0 にならない函数の部分層なのであろうか?というような疑問がある。date:May 2014 このセクションでは、X を複素多様体を表すとする。「射影多様体」の中のパラグラフ「ラインバンドルと因子」の定義に従い、X 上の正則函数を O {\displaystyle {\mathcal {O}}} 、その可逆な元からなる部分層を O ∗ {\displaystyle {\mathcal {O}}^{*}} と書く。 U i {\displaystyle U_{i}} を X 上のアフィンチャートとしたときの U {\displaystyle U} から Γ ( U , O X ) {\displaystyle \Gamma (U,{\mathcal {O}}_{X})} の分数の全体の環に付随する X 上の層を M X {\displaystyle {\mathcal {M}}_{X}} とする。すると、 M X ∗ / O X ∗ {\displaystyle {\mathcal {M}}_{X}^{*}/{\mathcal {O}}_{X}^{*}} の大域切断(* は乗法群を表す)を X 上のカルティエ因子と呼ぶ。 Pic ( X ) {\displaystyle \operatorname {Pic} (X)} を X 上のラインバンドルの全ての同型類の集合とする。これを X のピカール群と呼び、自然に H 1 ( X , O ∗ ) {\displaystyle H^{1}(X,{\mathcal {O}}^{*})} と同型となる。短完全系列 0 → Z → O → O ∗ → 0 {\displaystyle 0\to \mathbb {Z} \to {\mathcal {O}}\to {\mathcal {O}}^{*}\to 0} をとる。ここに二番目の写像は f ↦ exp ( 2 π i f ) {\displaystyle f\mapsto \exp(2\pi if)} とする。この短完全系列は群の準同型 Pic ( X ) → H 2 ( X , Z ) {\displaystyle \operatorname {Pic} (X)\to H^{2}(X,\mathbb {Z} )} を意味し、この写像のラインバンドル L {\displaystyle {\mathcal {L}}} の像は c 1 ( L ) {\displaystyle c_{1}({\mathcal {L}})} で表され、 L {\displaystyle {\mathcal {L}}} の第一チャーン類と呼ばれる。 X 上の因子 D とは、超曲面(1-次元の部分多様体)の局所的には有限和となる形式和 D = ∑ a i V i , a i ∈ Z {\displaystyle D=\sum a_{i}V_{i},\quad a_{i}\in \mathbb {Z} } である。 X 上の全ての因子の集合は、 Div ( X ) {\displaystyle \operatorname {Div} (X)} で表される。この条件は H 0 ( X , M ∗ / O ∗ ) {\displaystyle H^{0}(X,{\mathcal {M}}^{*}/{\mathcal {O}}^{*})} と同一視することができる。商 M ∗ / O ∗ {\displaystyle {\mathcal {M}}^{*}/{\mathcal {O}}^{*}} の長完全系列をとると、準同型 Div ( X ) → Pic ( X ) {\displaystyle \operatorname {Div} (X)\to \operatorname {Pic} (X)} を得ることができる。 第一チャーン類が閉じた正定値の実形式 ( 1 , 1 ) {\displaystyle (1,1)} -形式であるとき、ラインバンドルは正のラインバンドルであるという。同じことであるが、グリフィスの正(Griffiths-positive)である誘導された曲率を持つエルミート構造とできる場合に、ラインバンドルは正であるという。正のラインバンドルを持つことができる複素多様体をケーラーであるという。 小平埋め込み定理は、コンパクトなケーラー多様体上のラインバンドルが正であることと、ラインバンドルが豊富であることとは同値であるという定理である。
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