乗法群
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 05:13 UTC 版)
数学と群論において、用語乗法群 (multiplicative group) は次の概念の1つを意味する:
- 体、環、あるいはその演算の 1 つとして乗法をもつ他の構造の、可逆元が乗法の下でなす群[1]。体 F の場合には、群は {F ∖ {0}, •} である、ただし 0 は F の零元であり二項演算 • は体の乗法である。
- 代数的トーラス 〖GL〗(1).
1 の冪根の群スキーム
1の n 乗根の群スキーム (group scheme of n-th roots of unity) は定義によって群スキームと考えて乗法群 〖GL〗(1) への n ベキ写像の核である。つまり、任意の整数 n > 1 に対して、単位元として働く射 e とともに、n 乗をとる乗法群の射を考えそのスキーム論の意味で適切なファイバー積をとることができる。
得られる群スキームは μn と書かれる。体 K 上とったときそれが被約スキームを生じることと K の標数が n を割らないことは同値である。これによってそれは非被約スキーム(構造層に冪零元があるスキーム)のいくつかの重要な例の源となる。例えば任意の素数 p に対して p 個の元からなる有限体上の μp。
この現象は代数幾何学の古典的な言葉で容易には表現されない。例えば標数 p のアーベル多様体の双対理論(Pierre Cartier の理論)を表現するのにそれはかなり重要であることがわかる。この群スキームのガロワコホモロジーはクンマー理論を表現する方法である。
例
- n を法とする整数の乗法群は群 の可逆元が乗法についてなす群である。n が素数でないとき、0 の他に可逆でない元が存在する。
脚注
- ^ See Hazewinkel et al. (2004), p. 2.
参考文献
- Michiel Hazewinkel, Nadiya Gubareni, Nadezhda Mikhaĭlovna Gubareni, Vladimir V. Kirichenko. Algebras, rings and modules. Volume 1. 2004. Springer, 2004. ISBN 1-4020-2690-0
関連項目
乗法群
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対数導関数の使用の背後には GL1 すなわち実数や他の体の乗法群についての2つの基本的な事実がある。微分作用素 X d d X {\displaystyle X{\frac {d}{dX}}} は 'translation' (定数 a に対し X を aX で取りかえる)の下で不変量(英語版)である。微分形式 dX/X も同様に不変量である。したがって、GL1 への関数 F に対して、式 dF/F は不変形式の引き戻し(英語版)である。
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