1の冪根
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/11 22:28 UTC 版)
1の冪根(いちのべきこん、英: root of unity)または1の累乗根(いちのるいじょうこん)とは、数学において冪乗して 1 になる(冪単である)数のことである。すなわち、ある自然数 n が存在して
- zn = 1
となる z のことである。通常は複素数の範囲で考えるが、場合によっては p進数のような他の数の体系内で考える場合もある。以下では主として複素数の場合について述べる。
1 の n乗根の内、m (< n) 乗しても決して 1 にならず、n乗して初めて 1 になるものは原始的 (primitive) であるという。全ての自然数 n に対する 1 の原始n乗根を総称し、1 の原始冪根(いちのげんしべきこん)、または1 の原始累乗根(いちのげんしるいじょうこん)という。
1の原始冪根
1の冪根
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 16:16 UTC 版)
1の p {\displaystyle p} 乗根は F p {\displaystyle \mathbb {F} _{p}} に存在しないが、方程式 x p − x = x ( x p − 1 − 1 ) {\displaystyle x^{p}-x=x(x^{p-1}-1)} の解は存在する。次の式 d d x x p − x = p x p − 1 − 1 ≡ − 1 mod p {\displaystyle {\begin{aligned}{\frac {d}{dx}}x^{p}-x&=px^{p-1}-1\\&\equiv -1{\bmod {p}}\end{aligned}}} は決してゼロにならないので、解が存在すればそれは Z p {\displaystyle \mathbb {Z} _{p}} に持ち上げることができる。フロベニウスにより a p = a {\displaystyle a^{p}=a} なので、ゼロではない元全体 F p × {\displaystyle \mathbb {F} _{p}^{\times }} が解全体である。実は、 Q p {\displaystyle \mathbb {Q} _{p}} に含まれる1の冪根はこれらだけである。
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