乗法的積分とは? わかりやすく解説

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乗法的積分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/09 22:39 UTC 版)

数学における「乗法的積分」(じょうほうてきせきぶん、: "product integral")は、古典微分積分学において通常の積分がある種の和の極限と見做されることに並行して、その乗法版となるものを指す示唆的な呼称である。原初の乗法的積分は、1887年にヴィト・ヴォルテラ線型微分方程式系を解くために用いた[1][2](後述)。そのほか、乗法的積分の例には幾何積分 (geometric integral)、第二幾何積分 (bi­geometric integral)[訳語疑問点] など非ニュートン微分積分学におけるいくつかの積分を挙げることができる[3]


注釈

  1. ^ a b T(f) := ∏(1+f dμ) と書くならば、T が乗法的であるとは T(f⋅g) = T(f)⋅T(g) が成り立つことをいう。一般には ∏(1+f⋅g dμ) ≠ (∏(1+f dμ))(∏(1+g dμ)) となることを確認せよ。
  2. ^ ここでいう「幾何」は幾何平均幾何数列幾何級数と同じく、増加が乗法的であることを意味する接頭辞。
  3. ^ より具体的には、ヴォルテラ可積分函数 f を固定するとき、集合函数 Vf を、X の任意の可測集合 B に対し
    で定義する(ただし、idBB指示函数)。このとき、任意の互いに素な可測集合 B1, B2 に対し
    である。

出典

  1. ^ V. Volterra, B. Hostinský, Opérations Infinitésimales Linéaires, Gauthier-Villars, Paris (1938).
  2. ^ a b c Slavík 2007.
  3. ^ a b M. Grossman, R. Katz, Non-Newtonian Calculus, ISBN 0-912938-01-3, Lee Press, 1972.
  4. ^ Dollard & Friedman 1979.
  5. ^ F.R. Gantmacher (1959) The Theory of Matrices, volumes 1 and 2.
  6. ^ Slavík 2007, p. 65.
  7. ^ Slavík 2007, p. 83.
  8. ^ Slavík 2007, p. 71.
  9. ^ Slavík 2007, p. 72.
  10. ^ Slavík 2007, p. 80.
  11. ^ Gill, Richard D., Soren Johansen. "A Survey of Product Integration with a View Toward Application in Survival Analysis". The Annals of Statistics 18, no. 4 (December 1990): 1501—555, p. 1503.


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