ライトノベルの販売戦略
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 21:09 UTC 版)
「ライトノベル」の記事における「ライトノベルの販売戦略」の解説
現在のライトノベルはアニメ・ゲーム業界とはメディアミックスを通じて、事実上不可分と言えるほどに密接な関係を構築している。挿絵やコミカライズなどを多くは漫画家が担当しているため、漫画業界との関係は更に深い。コミカライズ・スピンオフ漫画の場合には原作とは異なる人物が担当するケースがほとんどだが、まれに『よくわかる現代魔法』(宮下未紀)や『GJ部』(あるや)のように原作挿絵担当が漫画版の執筆も担当するケースもある。 そのため、ライトノベルにしてもメディアミックス展開を販売戦略の主軸に据えており、長期の人気シリーズになっている作品についてはそのほとんどが、コミカライズ及びタイアップによりアニメ化やゲーム化をされている。この傾向は特に角川系ライトノベルレーベルの作品において顕著である。ゲーム化される作品も少なくない。例として1990年代に大ヒットした富士見書房の『スレイヤーズ』などがある。アニメ・漫画・ゲームを原作として小説化され、ライトノベルのレーベルから出版される逆パターンのケースも多い。 出版社の多くはメディアミックスを重視する販売戦略の一環として、大手チェーンのアニメショップや漫画専門店などの販売データを重視している。またこれらへの重点的な配本や販売キャンペーンを行うなど、配本の特定の書店チェーンへの偏りという意味では他の文芸ジャンルとは一線を画しており、むしろ漫画本の配本方式に近いものといえる。ライトノベルの主な購買層が漫画・アニメ世代であり、この種の店舗の主たる利用者とほぼ一致するため極めて大きな効果を上げている。 アスキー・メディアワークスは、売上げの多い書店、チェーン店を重点的に配本する販売店として指定し(電撃組と呼ばれる)、ある作家の前作の売り上げ数を次作の初回配本数とする、というシステムを構築している。他のKADOKAWA社内ブランドも特約店制度を導入して優先的な配本を行なっている他、KADOKAWA以外の出版社も実績配本を行なっている。
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