ヨーロッパの香辛料貿易進出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 03:20 UTC 版)
「貿易史」の記事における「ヨーロッパの香辛料貿易進出」の解説
前述の状況の中、ヨーロッパ諸国が16世紀以降に香辛料貿易に進出をはじめる。最初に大規模な介入をしたのは、アフリカ南端からインド洋へのルートを開拓したポルトガルだった。ポルトガルはインド洋へ艦隊を派遣して、1509年のディーウ沖の海戦で、インドのグジャラート・スルターン朝とエジプトのマムルーク朝を破った。ポルトガルは1509年にはゴア、1510年にはホルムズやマラッカなど重要な港を占領して貿易ルートを確保して、香辛料貿易において優位が明らかとなった。ポルトガルはインド洋貿易圏に変化をもたらし、カルタスという通行証を発行した。インド洋貿易の船は、ポルトガルに関税を納めてカルタスを受けとる必要があり、持たない場合は拿捕された。 ポルトガルののちに、オランダ東インド会社とイギリス東インド会社が香辛料貿易を支配する。香辛料は大量にヨーロッパへ輸出されるようになり、1670年頃のコショウ需要が720万ポンドであるのに対して、オランダとイギリスは2倍近い量を運んだ。こうしてコショウ価格は下落して、ほかに利益の出る商品として、サトウキビ、コーヒー、ゴムなどのプランテーション作物の栽培が始まる。
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