メタンハイドレートとは? わかりやすく解説

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メタンハイドレート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/04 00:22 UTC 版)

メタンハイドレート: methane hydrate)は、低温かつ高圧の条件下でメタン分子分子に囲まれた、状の結晶構造をもつ包接水和物固体[1]。およその比重0.9 g/cm3で、堆積物に固着して海底に大量に埋蔵されている[2]。メタンは、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素排出量がおよそ半分のため、地球温暖化対策としても有効な新エネルギー源であるとされる(天然ガスも参照)が、メタンハイドレートについては現時点では商業化されていない。化石燃料の一種であるため、再生可能エネルギーには含まれない。メタン水和物ともいわれる。


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