ムスリムによる解釈
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 01:57 UTC 版)
「バルナバによる福音書」の記事における「ムスリムによる解釈」の解説
20世紀初頭からバルナバによる福音書が英語・アラビア語・ウルドゥー語訳で発行されるようになってから、本文献はイスラームによるイエス解釈を支持するために広く引用されてきた; 本文献を引用したムスリムの著述家にはラフマトゥッラー・カイラーナウィー、ラシード・リダー、アブル・アラ・マウドゥーディ、ミルザー・グラーム・アフマド、ムハンマド・アタ・ウッラヒームなどがいる。 一般的なイスラームの教説では、インジール(福音書)は預言者イーサー(イエス)によって伝えられたが、キリスト教徒が伝えていく過程で取り返しのつかないほど崩壊・歪曲されてしまった。結果として、(新約聖書の正典四福音書も含めて)キリスト教徒の伝承するいかなる文書もイエスの教えを真に表すものとして信用のおけるものではないとされる。正統派イスラームから見れば、クルアーンが提議することと多くの相違があるのでバルナバによる福音書はキリスト教徒による著作だと見なせる; ゆえに、バルナバによる福音書も崩壊・歪曲をこうむったものだと予想される。結果として、正統派ムスリムでバルナバによる福音書を神聖なインジールを伝えるものとしては受け入れる者はおらず[疑問点 – ノート]、現在知られるイタリア語写本に後世の偽造の要素が含まれることを否定する者はほとんどいない。にもかかわらず、 ムスリムの著述家たち[誰?]はイエスが神の子であることの否定やイエスによる神の使者の到来の預言的予告といったバルナバによる福音書の章句をクルアーンの教えとの一致を保っているものとして時々引用する。結果として、バルナバによる福音書のこうした章句はより一層イスラームと一致する初期のイエス伝承が抑圧をくぐりぬけて生き残ったものを表しているとみなす傾向にあるムスリムもいる。
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