ミサイル設計
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 07:37 UTC 版)
ミサイルの基本構成はASM-1とおおむね共通しており、前方から弾頭レーダーシーカー部、誘導部、弾頭部、燃料タンク部、エンジン部から構成されて、ミサイル本体中ほどに4枚の翼を持ち、本体尾部に4枚の操舵翼を有する。ミサイルは翼を折りたたんだ状態でキャニスターに収容されており、発射直後に展開される。 中途航程では慣性航法装置(INS)を用いてあらかじめプログラムされた経路を飛翔し、海面上に出ると降下を開始して、電波高度計で高度を測定しつつ、敵艦船のレーダー探知をくぐり抜けるためシースキミングする。終末航程ではミサイル自身がアクティブ・レーダー・ホーミング(ARH)を行って、目標を捜索・探知・捕捉して突入する。基本的にはASM-1の技術を発展・転用したものであるが、ASM-1の開発時点と比して電子工学技術が著しく進歩していたことから、SSM-1ではホーミング装置の信号処理をデジタル化して電子防護(ECCM)性能を向上させるとともに、慣性装置センサ部の3軸にジャイロと加速度計を取り付けており、ASM-1が姿勢角制御だったのに対し、SSM-1では位置制御方式として、初中期の誘導性能を向上させた。 所定の射程を確保するため、エンジンは固体燃料ロケットからTJM2ターボジェットエンジンに変更された。また地上発射に対応するため、初期加速用に4枚の安定翼を持つ固体燃料ロケットブースター部が尾部に追加されている。ブースターは初期加速終了後、分離される。
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