マーキュリー劇団とラジオドラマ
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「オーソン・ウェルズ」の記事における「マーキュリー劇団とラジオドラマ」の解説
この成功を受け、ウェルズとハウスマンは劇団「マーキュリー劇場」を主宰し、シェークスピアを斬新に解釈するなどさまざまな実験的な公演を行って高く評価された。 1936年、ウェルズは、ラジオ番組にも進出し、CBSラジオにて『ハムレット』のタイトルロールを演じた。1937年にはマーキュリー劇団として、共同放送システム(MBS)にて『レ・ミゼラブル』を演じた。 1938年7月からはCBSラジオにて、小説や演劇を斬新な形式で短編ドラマ化する番組『マーキュリー放送劇場(英語: The Mercury Theatre on the Air)』を毎週演ずることになったが、大衆の反応は今ひとつだった。しかし、同年10月30日にH.G.ウェルズのSF小説『宇宙戦争』の翻案『宇宙戦争』を放送する際、舞台を現代アメリカに変え、ヒンデンブルク号炎上を彷彿とさせるような臨時ニュースで始め、以後もウェルズ演じる目撃者による回想を元にしたドキュメンタリー形式のドラマにするなど、前例のない構成や演出と迫真の演技で放送を行った。 この放送について、かつてはラジオ放送の聴取者が火星人の襲来を事実と信じこんでパニックが起きたと言われ、長く「名優ウェルズ」の実力を裏づける伝説的なエピソードとして扱われてきた。しかし近年の研究ではパニック現象は全く確認できず、番組を事実と信じた聴取者はほとんどいなかったことが分かっている。 しかしこの放送をきっかけにウェルズの名が広く米国内のメディアで取り上げられたのは確かである。それまでスポンサーの付かなかったこの番組は、12月にキャンベル・スープ社の提供による『The Campbell Playhouse』に改題、1940年3月まで継続した。その後も1950年代半ばまで、ウェルズはラジオ番組に関わり続け、多くの印象的な番組を残している。
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