マニューリン MR 73
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/03/27 15:08 UTC 版)
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MR 73
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概要 | |
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種類 | 回転式拳銃 |
製造国 | ![]() |
設計・製造 | マニューリン社 |
性能 | |
口径 | 9 mm |
銃身長 | 76 mm (3インチモデル) |
ライフリング | 6条右回り |
使用弾薬 | .38スペシャル弾 .357マグナム弾 |
装弾数 | 6発 |
作動方式 | シングル/ダブルアクション |
全長 | 205 mm (3インチモデル) |
重量 | 910 g (3インチモデル) |
マニューリン MR 73(フランス語: Manurhin MR 73)は、フランスのマニューリン社が1973年に開発した、警察などの法執行機関向けダブルアクション回転式拳銃である。
概要
1962年、シャルル・ド・ゴール大統領の元ボディーガードであったレイモン・サシア(Raymond Sasia)がアメリカ合衆国のFBIアカデミーへの留学から帰国したことで、フランスの警察の拳銃術は一気に刷新されることになった。同年には早速、警察庁(国家警察の前身組織)に射撃学校が創設、翌年にはパリ警視庁も続き、1968年にはこれらを統合・増強して国家警察射撃研究センター(Centre national de perfectionnement au tir de la police nationale)が設置された[2]。
当時、拳銃としては.32ACP弾を使用するRr.51およびモーゼルHScが主用されていた[3]。これに対し、サシアは当時のアメリカ連邦捜査局(FBI)の趨勢に忠実に、ダブルアクション・リボルバーを推奨しており[2]、スミス&ウェッソン(S&W)社と協力して、同社のS&W M19の3インチ銃身モデルを元にした19/3 RSを開発した[4]。
しかし内務省では80,000挺の調達を予定していたことから、国産化が志向されるようになった。これによって開発されたのが本銃であり、1971年より研究が開始され、1974年より試験導入を開始、そして1975年、国家警察の全ての小口径拳銃のMR 73への転換が決定された[3]。
MR73シリーズはフランスの法執行機関の他、旧フランス植民地を中心とした各国で法執行機関向けの拳銃として採用されている。
設計
フレームはS&W社のKフレーム(M19など)より大きく、Lフレームよりわずかに小さい。鋼はホウ化処理されており、銃身寿命は300,000発という驚異的な値とされている。マニューリン社の博物館にはGIGNが使用した銃が展示されており、標準的な.357マグナム弾96,000発を発砲した実績があるとされているが、これはS&W社の拳銃ではありえない値である[5]。
製造には削り出し加工を用いるため、25 mの距離で20 mmの幅にまとまる集弾性能を発揮できるように部品の精度が高く仕上げも良いが、高価格になっている。
基本となる「ディファンス(Defense)」「ポリス(police)」は2.5インチ(63.5 mm)、3インチ(76.2 mm)、4インチ(101.6 mm)銃身、国家憲兵隊治安介入部隊(GIGN)向けの「ジャンダルムリ(Gendarmerie)」は3インチおよび8インチ(203.2 mm)銃身とされる[5]。8インチ銃身型は二脚とスコープを取り付けて使用され、200メートルまでの射撃が可能となる[4]。また、一般市販向けの「スポルト(Sport)」は4インチ、5.25インチ(133.35 mm)、6インチ(152.4 mm)銃身があり、射撃用としてシルエットの取りやすいパートリッジ・フロント・サイトを装備している[1]。なお、公的機関向けモデルではあるが「ジャンダルムリ」も一般市販されている。
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MR73"Gendarmerie" 3インチ銃身モデル
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MR73"Gendarmerie" 8インチ銃身の近距離狙撃モデル
高い命中精度を活かし、1985年には.22 LR弾(MR22)や.32 S&W Long弾(32 Match / MR32 Match)、.38 Special弾(MR38、MR38 Match)使用する各種の射撃競技用モデルも開発された。また、リムレス弾に対応した専用の回転弾倉もしくはムーンクリップを用いて9x19mmパラベラム弾を使用できるモデル(MR73 Cal.9x19)も存在する。
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MR38 Match
その他
マニューリン社が製造するMR73系フレーム以外の回転式拳銃には以下のものがある。
- MR88
- SPECIAL POLICE F1 / X1
- MR93
- MR96
登場作品
脚注
注釈
出典
- ^ a b 床井雅美『最新ピストル図鑑〈Vol.2〉』徳間書店、1996年、303頁。ISBN 978-4198904937。
- ^ a b Salotti 2013.
- ^ a b “HISTORIQUE DES ARMES DE LA POLICE NATIONALE” (PDF) (フランス語). 2016年1月23日閲覧。
- ^ a b LARVATUS 2011.
- ^ a b LARVATUS 2014.
参考文献
- LARVATUS (2011年). “les revolvers manurhin - larvatus prodeo”. 2019年5月12日閲覧。
- LARVATUS (2014年). “manurhin mr73 design and construction - larvatus prodeo”. 2019年5月12日閲覧。
- Salotti, Patrick (2013年12月). “LES METHODES DE TIR DANS LA POLICE NATIONALE”. 2019年5月12日閲覧。
外部リンク
「マニューリン MR 73」の例文・使い方・用例・文例
- マーケットリスクプレミアムはよくMRPと表される。
- ある製薬会社では、就業時間の大半をオフィスの外で過ごすMR(医薬情報担当者)のために「みなし労働時間制」を採用した。
- MRIによるように、可視状態にする
- MRIという,人体内部の断層画像を得る装置
- 放射線診断には,コンピュータ断層撮影法(CT)や磁気共鳴画像法(MRI)などの診断画像を使った診断が含まれます。
- 三菱航空機は新型ジェット機,MRJ(三菱リージョナルジェット)の客室の模型を展示した。
- MRJは日本初の国産ジェット機だ。
- MRJはとても燃費が良い。
- 三菱航空機は今後20年間でMRJを1000機販売し,小型機市場の3分の1を獲得したいと考えている。
- 先日,同大学院の研究者らが磁気共鳴画像装置(MRI)を使って臓器の画像を入手した。
- アメリカン航空の親会社であるAMRコーポレーションとUSエアウェイズ・グループは2月14日,両社が合併することで合意したと発表した。
- 同施設のおもな特徴は,ハイテクの磁気共鳴画像(MRI)装置である。
- 10月18日,三菱重工業と三菱航空機は「三菱リージョナルジェット(MRJ)」の完成披露式典を,愛知県にある三菱重工業の小(こ)牧(まき)南工場で開催した。
- MRJは日本初の国産ジェット機である。
- MRJの初飛行は当初2011年に予定されていた。
- 完成披露式典では,三菱重工業の大(おお)宮(みや)英(ひで)明(あき)会長が「MRJは日本のものづくりの質の良さと,旅客機の国内製造を復活させるために働く多くの人たちの情熱との見事な融合だ。」と話した。
- 同社は今後20年で2500機のMRJを販売したいと考えている。
- 日本初の国産ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット」(MRJ)が11月11日に初の試験飛行を行った。
- MRJは2011年に最初の試験飛行を行うことになっていたが,その飛行は5度延期された。
- MRJはついに名古屋空港から初の試験飛行を行い,約90分間飛んだ。
固有名詞の分類
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