マスコンクリート
マスコンクリート
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/29 11:58 UTC 版)
質量・体積等が大きなコンクリートをマスコンクリート(mass concrete)といい、例えば大きな壁や箱型ラーメン、ダム、フーチング、橋脚のアンカーなどが該当する。ある構造物がマスコンクリート構造物であるかどうかは各種条件等により変化するが、概ね板状のもので80-100[cm]、壁などでは50[cm]以上が目安となる。 マスコンクリートでは、セメントの水和反応熱によりコンクリートの温度上昇が大きく、それにより大きな体積変化を起こすことで大きな引張応力が発生する。厚いコンクリートであれば、コンクリート内部と外縁部との温度差によって引張応力が発生し(内部拘束応力)、打設後1-3日という比較的早期に表面上にひび割れが発生する。また、古いコンクリートなど境界での拘束が固い物質の上に新しくコンクリートを打設する場合、その物質との境界で体積変化が拘束されるため引張応力が発生し(外部拘束応力)、境界に垂直で大きなひび割れが数メートル間隔で規則正しく発生する。 これらを抑制するため、マスコンクリートでは以下のような種類の対策が必要である。 温度上昇を抑制する 拘束条件を緩和する 特定の場所にひび割れを集める 小さなひび割れを許容するような設計とする また、ダムコンクリートなどの大規模なマスコンクリートではRCD工法(Roller Compacted Dam method)など工法の工夫がなされている。
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