マイクロプロセッサ製造企業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/02/11 07:31 UTC 版)
「トランスメタ」の記事における「マイクロプロセッサ製造企業」の解説
2000年1月19日、予定通り Crusoe の発表が行われた。株式公開初日、21ドルだった株価は急騰して50.26ドルまで上がり、その日の終値は46ドルで落ち着いた。これは2004年のGoogleのIPOで記録が塗り替えられるまで、インターネット・バブル期の最大のハイテク株のIPOだった。 トランスメタはそのマイクロプロセッサ技術を極めて革新的で先進的なものとして低消費電力市場に売り込んできた。彼らはx86市場で電力面でも性能面でも一番となることを目標としていた。しかし最初のCrusoeは、計画に比べて性能がかなり不十分だった。しかも市場はCrusoeの開発の間にも進んでいた。インテルとAMDはどんどん性能を向上させ、低消費電力化にも取り組み始めていた。したがって、最初のCrusoeはすぐに市場の片隅、あまり数の見込めない小型の低消費電力市場に追いやられてしまったのである。 2002年7月、トランスメタは初の人員削減を行い、従業員数を40%削減した。 トランスメタは、数々の業界有名人(リーナス・トーバルズやデイブ・テイラー(英語版))を雇っていた。当初会社の目的は秘密だったが、そのような有名人を雇っていることから、業界では陰謀論まで含めた様々な噂が飛び交い、それが格好の宣伝になっていた。 その後、リーナス・トーバルズはLinuxカーネルの開発に専念するため、2003年6月にトランスメタを辞めた。 大々的な宣伝を行ったため、トランスメタは雑誌 Upside 編集部から「シリコンバレーで最も重要な会社」と評されたことがある。チップ製造業者だったころ一度も黒字になったことがないという事実はあまり報告されていなかった。2002年には1億1400万ドルの赤字で、2003年には8800万ドルの赤字、2004年には1億700万ドルの赤字だった。 事態を改善すべく急いで再設計する必要が生じ、2004年、Efficeonプロセッサが出てくる。Efficeonは、同一動作周波数のCrusoeの2倍の性能と言われていたが、他社と比較すると満足のいく性能ではなかった。しかもチップ上の回路の複雑さのため、チップのサイズが大きくなって電力消費を増加させることになってしまい、中心としていた市場でも支持を失っていった。
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