マイアミバイスへの起用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/13 03:06 UTC 版)
「マイアミ・バイスのフェラーリ」の記事における「マイアミバイスへの起用」の解説
マルディキアンとマクバーニーがデイトナレプリカを製作するのと同じ頃、映画監督・プロデューサーのマイケル・マンは新しい警察ドラマ「マイアミ・バイス」の製作準備にとりかかっていた。そこに友人の俳優ダン・ハガティからドラマにぴったりのスポーツカーを見つけたと連絡を受ける。ハガティはニューポートビーチにあったトレンドインポートの常連客であり、出来上がったばかりのデイトナ・スパイダーを目にしてマンに薦めたのだった。大のフェラーリ好きのマンはすぐにディーラーを尋ね、パイロットフィルム(第1話)用に黒の4号車をレンタルすることになった。 その後「マイアミ・バイス」のシリーズ化が決定してユニバーサルは1号車(試作車)と4号車の2台をレンタルする予定だったが、マルディキアンの書類偽造容疑が次第に固まりつつありレンタルが出来なくなる恐れがあったため、それぞれを4万9千ドルで購入した。 1号車は赤だったので黒で再塗装した。試作車のため細部の作りは粗雑だった。アクリル板のヘッドライトカバーは4隅に取付ビスが露出しており、その中央にあるべきエンブレムも少し上のエンジンフード先端にあった。このエンブレムは番組スタッフがパーツを取り寄せたものの、車の情報が乏しかったため取り付ける位置を間違えたと言われている。ブレーキ灯とウィンカーの位置は左右が逆なうえ激しい走行で度々落下した。さらにベースの1976年型コルベットには事故歴があり右側のホイールベースが約40mmも短かかった。 メーター周りやインテリアはコルベットのままほとんど手を加えられていなかったので、黒を基調とする内張りをフォートローダーデールにあるスコット・ドライジン/ヘッズアップインダストリーズ(現在のHead Up Industies)の手で明るいタン色レザー張り替え、それらしい雰囲気に仕上げた。シーズン1の第2話以降に登場するのはほとんどがこの1号車である。外観やダッシュボード周りの欠点はシーズン2を境に大幅に改良されているがスタント撮影用という扱いだった。 もう1台の4号車は1981年型コルベットをベースとしており4台目ともなると作りが良かった。よりリアルな仕上りにするためサンディエゴにあったオートデザインズによってシートやダッシュボード、ドア内張などがカスタマイズされており、細部に至っては木目調のセンターコンソール、ダッシュボード上の丸い送風口、サンバイザーも再現された。このサンバイザーは両側に付いていることもあれば運転席側のみだったり助手席側のみだったりと撮影状況によって度々変わる。エアコンはメルセデスベンツの電子制御エアコンを移植してあった。 2台ともオートマチック車で、標準のブレーキペダルの左側にもう一つ後輪のみを制動するブレーキペダルを追加し簡単にスピンターン(ブートレッグターン)が出来る細工がしてある。 本物との違いは、三角窓が付いていない点が最も特徴的であるほか、ブレーキ灯と方向指示灯の配列、角型4灯ヘッドライト、クロームのドアハンドルなどで判別できる。ドアハンドルはオリジナルに似せようとしたがすぐに壊れてしまうためアルファロメオのパーツで妥協したという。
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