ポリループについて
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 05:17 UTC 版)
「ポリリズム (Perfumeの曲)」の記事における「ポリループについて」の解説
「ポリリズム」の歌唱部では音楽用語でいうところの複合拍子(ポリリズム)は使用されていないが、間奏部ではいままでの4拍子の流れに「ポ・リ・リ・ズ・ム」という日本語発声の5つの音韻をそのまま5拍でのせて繰り返すことにより、ポリリズム(それも最も基本的な)をつくり、楽曲名と楽曲構造が重なる部分を作り出している。さらに、ベースは3拍、高域のシンセによるシーケンスは6拍で組まれており、決して4拍子の流れに5拍の音韻を乗せただけの基本的なポリリズムではなく複雑な構造となっている(この間奏部には少なくとも4種類の異なるリズムが重ねられている)。サンプリングベースでは、このような2つの異なる拍子をもつループを合わせたものを「ポリループ」と呼ぶ。ただし、このループはサンプリング的なつくりではあるがこの曲のために作られたオリジナルである。 このポリループの部分については、リリースに際してPerfumeのレコード会社・所属事務所双方からの反対があった。レコード会社である徳間ジャパンコミュニケーションズ側からは「音飛びと間違われ不良品扱いされる恐れがある」と難色を示されていた。このような意向に対し中田は反発、「これくらいのことをしなければファンは満足しない」と説得したことにより徳間側を応じさせた。 また所属事務所であるアミューズ側は、テレビやラジオなどで披露できないことを理由としてポリループ部分の変更を決断した。Perfumeのマネージャーが中田に対し、この決定を伝えたところ、中田は「僕が行きます。行って説明します。」とマネージャーに告げた上で自ら直接アミューズ事務所まで赴き、担当者に対して「今の若い世代はどんどん新しいものを取り入れるから、若い子の音を聴いてそれに合わせるのでは遅い。クリエイター側はそれより先のことを考えて作るくらいでないとダメだ。」 と力説し、この決定に直接異議を唱えた。これに対しアミューズ側は、「でも、このポリループの部分はテレビでもラジオでもまず流せない」と説明したが、中田は「大丈夫です。ポリループをカットしたラジオエディットバージョンを作ります。ただ、1曲目はこれで行きたいです。」と反論し、あくまでポリループを挿入した状態でのシングルリリースにこだわった。さらに、「この間奏は長すぎる」とアミューズ側は再反論したが、「これは間奏ではありません。歌です。(そもそも、間奏とメロディを分離するという発想は間違っていると思う。)」と中田は答え、アミューズ側を説得し、中田の熱意に押される形でアミューズはポリループを「ポリリズム」に挿入することを承諾した。 当初、アミューズの意向通り、ポリループがテレビなどで流されることはなかったものの、やがてテレビやライブイベントなどで披露する機会が増え、NHK紅白歌合戦出場の際にもポリループは披露された。
※この「ポリループについて」の解説は、「ポリリズム (Perfumeの曲)」の解説の一部です。
「ポリループについて」を含む「ポリリズム (Perfumeの曲)」の記事については、「ポリリズム (Perfumeの曲)」の概要を参照ください。
- ポリループについてのページへのリンク