ペン先の形状
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 09:09 UTC 版)
インクをペンポイントに導くとともに弾力を出すためペン先には切り込みが入っており、筆圧をかけたとき不用意に曲がらないよう剛性を出すため若干湾曲させてある構造が一般的。ペン先の切り込みは一般的には切り割りといい、ハート型や丸形をしているハート穴まで通じている。ハート穴は空気穴となっている場合が多く、筆記によってペン内部より排出されたインクと同量の空気をペン内部に供給している。空気の吸入はハート穴に拠らず、ペン芯に空気穴をあけることによって供給している場合もある。 ペン先は通常異なる太さのものが数種類用意され、EFもしくはXF(極細字)、F(細字)、FMまたはMF(中細字)、M(中字)、B(太字)、BB(極太字)、C(特太字)、MS(ミュージック)などと表記される。同じ太さでもメーカーや製品ごとの個体差があり、また紙とインクとの相性等にも大きく左右される。また、ニブが柔らかいソフトニブ(SF、SMなど)や、その他の特殊ニブも存在する。 日本メーカーのペン先は、欧米メーカーよりも半段階から一段階程度細く、インク流量も少ない。これは左から横書きする欧文と異なり、便箋に右から和文を縦書きする場合は書かれた文字の上を手がすべるため、インク流量が多いと字がすれて汚れること、線の少ないラテン文字に比べ、画数の多い漢字は細く均一な描線が必要なことなど、日本製のペンが和文筆記の特性を考慮していることによる。
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