ベルニナ線、クール・アローザ線およびFO、BVZ直通用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/06/10 08:20 UTC 版)
「レーティッシュ鉄道EW I系客車」の記事における「ベルニナ線、クール・アローザ線およびFO、BVZ直通用」の解説
A 1253-1256形氷河急行用に用意された1等車で、当時は乗入先のフルカ・オーバーアルプ鉄道やブリーク-フィスプ-ツェルマット鉄道は線路条件の関係で車両の全長が最大17mに制限されていたため、本形式も本線系統用の18.5m級より短い17m級で窓扉配置D61D(扉-1等室-トイレ窓-扉)となっている。また、片側の台車はブレーキ用ピニオンを装備している。 冬季の氷河急行のシーズンオフ時にはクール・アローザ線で使用することとしており、車端部の屋根上に暖房用の直流2400Vの車間引通し用の電気連結器が設置されている。 本形式は当初より車体が赤色塗装であった。 製造後は主に氷河急行の1等車として使用されていたが、1985年以降18.5m級の車両が氷河急行にも使用されるようになったため、現在では他の客車と共通で使用されている。 AB 1541-1546形 B 2307-2314、2451-2460形ベルニナ線用に用意された1/2等車と2等車で、ベルニナ線の最小曲線半径が50mと小さく、車両の全長が16.5mに制限されていたために全長15m級で製造されており、窓扉配置はAB 1541-1546形がD142D(扉-トイレ窓-2等室-1等室-扉)、B 2307-2314、2451-2460形がD161D(扉-トイレ窓-2等室-デッキ窓-扉)である。 ベルニナ線は気象条件が厳しく、従来のEW I系のSIG製のトーションバータイプの台車では冬季に台車周りの凍結による機能低下が懸念されたため、本形式では新しいSWP68台車を採用している。 クールからティラーノ間の直通用に製造されたもので、本形式の増備に伴い1968年からクールからベルニナ線への直通運用が開始され、1973年夏からベルニナ急行の運転が開始されている。 その後ベルニナ急行はEW III系、EW IV系での運行を経て現在ではパノラマ客車による運行となっており、本形式は主にローカル列車で使用されている。 ABt 1701-1703形 B 2315-2319形クール・アローザ線用に製造された形式で、ABt 1701-1703形は狭いクール駅構内の構内事情を考慮して全長15m級としたABDe4/4 481II-486II形およびABe4/4 487II,488形電車の1/2等制御客車、B 2315-2319形は全長18.5m級の2等車であり、いずれも当初より車体は赤色塗装で、クール・アローザ線用の車端部屋根上の暖房用引通し用電気連結器を装備している。 ABt1701-1703形は片側に長さ1600mmの運転室を設置しており、窓扉配置は1D132D(乗務員室-扉-デッキ窓-2等室-1等室-扉)、前面はABDe4/4 481II-486II形電車に類似の貫通扉付き3枚窓スタイルとなっている。 B 2415-2319形はB 2341-2373形と類似であるが、台車が異なり、車体がアルミ製となっているほか、トイレが1箇所で窓扉配置がD181D(扉-トイレ窓-2等室-デッキ窓-扉)であるなどの差異がある。
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