ブラーフマナ神話
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マヌと大洪水の物語について、ブラーフマナの神話を伝える『シャタパタ・ブラーフマナ』 (1・8・1・1-10) では以下の内容で語られている。 あるときマヌが水を使っていると、手の中に小さな魚が飛び込んで来て「数年後に大洪水で人類が滅亡するが、私を飼ってくれたら洪水の時にあなたを助ける」と話した。マヌはその魚を飼い始めたが、魚がじきに大きくなったので海に放してやった。数年後に大洪水が起こり、マヌが魚の残した助言に従って船に乗り込むと、魚が近付いてきた。魚の角に船を繋ぐと、魚は北のヒマーラヤの高い場所まで船を運んだ。マヌが船を下りた場所は「マヌの降り場」「マヌの降りた所」と呼ばれている。このようにしてマヌは、全生物を滅ぼす大災害を生き延びることができたが、地上で唯一の人間となってしまった。マヌは子孫を得るべく苦行を重ね、水に供物を捧げる祭祀を続けた。1年後、水の中から一人の女性が現れた。ミトラ神とヴァルナ神が彼女を見初めたが、彼女は「自分はマヌの娘でありマヌの元へ行く」と言って去った。その後彼女はマヌに会い、「あなたが水に捧げた供物から生まれた」と話した。マヌと女性が始祖となってふたたび地上に人々があふれたという。 マヌと大洪水の物語は、『マハーバーラタ』 (3・185) でも語られている。魚はブラフマー神の化身で、地上に再び生命をあふれさせるようにとマヌに語った。
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