プラーナ神話
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 09:30 UTC 版)
時代が下り、プラーナ神話を伝える『バーガヴァタ・プラーナ(英語版)』 (8・24) では、魚はヴィシュヌ神のアヴァターラ(化身)の1つ「マツヤ」とされ、「マヌ」は王仙サティヤヴラタに対してヴィシュヌが与えた称号とされた。 ブラフマー神の1日(カルパ)の終わる頃、太陽神ヴィヴァスヴァットの子でシュラーッダデーヴァと呼ばれるサティヤヴラタが苦行の日々を送っていた。あるときサティヤヴラタが祖霊に水を捧げる儀式を行っていたところ、手の中に小さな魚が飛び込んで来て「大きな魚に食べられないように私を守ってほしい」と言った。サティヤヴラタはその魚を瓶に入れて飼い始めた。じきに魚が成長したため池へ移し、その池にも余るほど成長したので湖へ、そして海へと移していった。ここに至ってサティヤヴラタは、その魚の正体がヴィシュヌ神だと気付いた。魚はサティヤヴラタに、7日後に大洪水が起こることを教え、「船を用意するから7人の賢者(英語版)とすべての種子を乗せるように」と告げて姿を消した。7日後に大洪水が起こり、サティヤヴラタが魚の助言に従って船に乗り込むと、ヴィシュヌの化身の1つ・角のある魚「マツヤ」が近付いてきた。サティヤヴラタは蛇王ヴァースキの体でマツヤの角に船を繋ぎ、このようにして彼は世界の帰滅(英語版)を生き延びることができた。マツヤの語る言葉によって真理を悟ったサティヤヴラタは、次のカルパ、すなわち現在のカルパを生きるヴァイヴァスヴァタ・マヌになった。なお、『バーガヴァタ・プラーナ』での大洪水は、カルパが終わるたびに起きては世界を一時的に帰滅させる洪水とブラーフマナ神話での大洪水とを結び付けたものだと考えられている。
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