ブラジルの対応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/10 15:25 UTC 版)
「2019年アマゾン熱帯雨林火災」の記事における「ブラジルの対応」の解説
ブラジルのボルソナーロ大統領は、この火災に対する世界的注目の元凶がマクロン大統領の環境保護発言にあると目し、「アマゾンの主権はブラジルにある」「わたしはG7ではなく、G7に参加する大統領のひとりに対して反対している」とマクロンに反発する姿勢を強め、論戦を繰り広げている。これに対して環境保護にほとんど無関心なトランプ米大統領は「アマゾンの火災に全力を尽くし、あらゆる点でブラジルの人々のために素晴らしい仕事をしている」とツィッタ―上で声援を送り、ボルソナーロは「大統領、ありがとう。わたしたちは火災との戦いに大成功している。主権に対するフェイクニュースキャンペーンは機能しない」と答えた。いっぽうで、2019年2月に30%にも満たなかったボルソナーロの「不支持率」は、8月に入ると53.7%にまで上昇している。他の調査によれば、ブラジル人のほぼ80%が、環境保護または先住民保護区の鉱業開発を拒否している。 8月29日、「原則60日間、土地に火を付ける許可を出すことを停止する」旨の野焼き禁止の大統領令を発令した。警察当局はバラ州の環境保護地区内での違法伐採と野焼きに関与した疑いで男1人を逮捕し、2人の行方を追っているとした。30日、ボルソナーロはヨーロッパがブラジルの環境問題に対して「教えることはなにもない」と述べ、従来の立場を強調した。また、マクロンが「アマゾンの主権」に関する発言を撤回すれば、対話に応じると繰り返し述べた。 9月20日、ブラジルの国防省は、米国の専門家や日本の物流機器、チリの航空機4機を投入して、消火活動にあたっていると発表した。また、さらにイスラエルの消防隊も加わるとしている。 9月23日、ボルソナーロは、ニューヨークで催された国連気候サミットで演説し、アマゾンの森林火災は「詐欺」によって、でっちあげられたとし、マクロン大統領と併せてメディアを非難した。続けて「アマゾンでは西ヨーロッパよりも大きな森林がほとんど手付かずのまま残っており、それこそがブラジルが最も環境保護に力を入れている国のひとつである証拠だ」と自らの正当性を主張した。ボルソナーロは、あくまで森林火災は、ブラジルの国内問題であると主張し、他国からの批判は主権侵害であると語った。また、保護区の存続を疑問視する考えを示した。
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