フーリエの法則とは? わかりやすく解説

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フーリエの法則

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/18 16:15 UTC 版)

熱伝導」の記事における「フーリエの法則」の解説

単位時間単位面積流れ熱流熱流束密度)を J [W/m2] とし、温度を T とすると、分子論的熱緩和時間より十分長い時間定常状態と見なせる時間領域での現象に対して熱流束密度 J は温度勾配 grad T に比例する。すなわち J = − λ grad ⁡ T {\displaystyle {\boldsymbol {J}}=-\lambda \operatorname {grad} T} で表される。これはフーリエの法則と言われる。この時の比例係数 λ を熱伝導率thermal conductivity)という。物質等方的であればλはスカラーであるが、一般に等方的3次元系では J と grad T の向き一致せず熱伝導率テンソル表現される単位体積当たりのエネルギーエネルギー密度)を ρE [J/m3]とすると、エネルギー保存則連続の方程式より ∂ ρ E ∂ t = − div ⁡ J {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{\mathrm {E} }}{\partial t}}=-\operatorname {div} {\boldsymbol {J}}} の関係が成り立つ(t は時間)。エネルギー密度増加率単位体積あたりの熱容量CV [J/m3K]を使って、 ∂ ρ E ∂ t = C V ∂ T ∂ t {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{E}}{\partial t}}=C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}} で表現される。以上から、λ を一定かつ等方的とすれば温度場 T が従う式として C V ∂ T ∂ t = − div ⁡ J = − div ⁡ ( − λ grad ⁡ T ) = λ ∇ 2 T = λ Δ T {\displaystyle C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}=-\operatorname {div} {\boldsymbol {J}}=-\operatorname {div} (-\lambda \operatorname {grad} T)=\lambda \nabla ^{2}T=\lambda \Delta T} を得る。これは熱伝導方程式Heat equation)と言われ拡散方程式の形をしている。λ/CV を熱拡散率温度伝導率と言う。 以上の式を1次元簡略化すると以下のようになる。 フーリエの法則 J = − λ ∂ T ∂ x {\displaystyle J=-\lambda {\frac {\partial T}{\partial x}}} エネルギー保存則 ∂ ρ E ∂ t = − ∂ J ∂ x {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{E}}{\partial t}}=-{\frac {\partial J}{\partial x}}} エネルギー密度変化温度変化の関係 ∂ ρ E ∂ t = C V ∂ T ∂ t {\displaystyle {\frac {\partial \rho _{E}}{\partial t}}=C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}} 熱伝導方程式 C V ∂ T ∂ t = − ∂ ∂ x ( − λ ∂ T ∂ x ) = λ ∂ 2 T ∂ x 2 {\displaystyle C_{V}{\frac {\partial T}{\partial t}}=-{\frac {\partial }{\partial x}}\left(-\lambda {\frac {\partial T}{\partial x}}\right)=\lambda {\frac {\partial ^{2}T}{\partial x^{2}}}} ただし、 ρE :熱エネルギー密度 [J/m3] J :熱流束密度 [W/m2] λ :熱伝導率 [W/(m・K)] CV単位体積熱容量 [J/(m3・K)] である。

※この「フーリエの法則」の解説は、「熱伝導」の解説の一部です。
「フーリエの法則」を含む「熱伝導」の記事については、「熱伝導」の概要を参照ください。

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