フレームとスクリプト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 08:13 UTC 版)
「人工知能の歴史」の記事における「フレームとスクリプト」の解説
マッカーシーの方向性はMITのAI研究者にも批判された。マービン・ミンスキー、シーモア・パパート、ロジャー・シャンクは「ストーリー理解」や「物体認識」といった問題を解決しようとしており、それには人間のように思考する機械が「必要」だった。「椅子」や「レストラン」といった概念を普通に扱えるようにするには、人間が普通に行っているように非論理的な仮定をする必要がある。だが、そういった不正確な概念は論理で表現しづらい。ジェラルド・サスマンは「本質的に不正確な概念を説明するのに精密な言語を使っても、正確さは向上しない」と気付いた。ロジャー・シャンクは彼らの「非論理的」アプローチを "scruffy"、マッカーシー、コワルスキー、ファイゲンバウム、ニューウェル、サイモンといった研究者のアプローチを "neat" と称した。 1975年、ミンスキーは論文で "scruffy" の研究者らが似たようなツールを使っていることを記した。それは何らかの事物についての我々の常識的知識(英語版)を全て捉えるフレームワークである。例えば、「鳥」という概念を考えたとき、飛ぶ、虫を食べる、などといった一連の事実がすぐさま思い浮かぶ。我々はそれらの事実が常に真実ではないと知っているし、そういった事実を使った推論が「論理的」ではないと知っているが、我々が何かを語り考えるときそういった一群の構造化された前提が文脈の一部を形成している。彼はその構造を「フレーム(英語版)」と呼んだ。シャンクはある種のフレーム群を「スクリプト(英語版)」と呼び、それを使って英語の短いストーリーについての質問に答えることに成功した。
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