フラムFCとは? わかりやすく解説

フラムFC

(フルアムFC から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/03 13:48 UTC 版)

フラムFC
原語表記 Fulham Football Club
愛称 The Cottagers
The Whites
The Lily Whites
クラブカラー    
   
   
創設年 1879年
所属リーグ プレミアリーグ
所属ディビジョン 1部(2024-25
昨季リーグ順位 13位(2023-24
ホームタウン ロンドン
ホームスタジアム
クレイヴン・コテージ
収容人数 25,700[1]
代表者 シャヒド・カーン[2]
監督 マルコ・シウバ
公式サイト 公式サイト
ホームカラー
アウェイカラー
サードカラー
テンプレート(ノート)サッカークラブPJ

フラム・フットボール・クラブ(Fulham Football Club, イギリス英語発音[ˈfuləm ˈfutˌbɔːl klʌb] )は、イングランドの首都ロンドン西部・フラム地区をホームタウンとする、プレミアリーグに所属するプロサッカークラブ。

日本ではしばしば「フルハム」、「フルアム」と紹介されることが多いが、ここでは「フラム」で統一する。

概要

1879年に創立。ホームスタジアムは西ロンドンテムズ川沿いに本拠を構えるクレイヴン・コテージ(収容人数25,700人)。

同じ西ロンドンに本拠を置くチェルシーFCとは距離にして数キロ、ロンドン地下鉄の駅で2駅しか離れていない。チェルシーとの縁は深く、1890年代に建設された現在のチェルシーの本拠地スタンフォード・ブリッジは元々はフラムの本拠地になる予定で竣工されたものであった。しかし金銭面で折り合いがつかず、使用は実現しなかった。その結果、宙に浮いたスタジアムの有効利用としてチェルシーが設立された。

前オーナーはイギリスのデパートハロッズ』のオーナーであったモハメド・アルファイド

歴史

1879年に教会のチームとして発足した「フラム・セント・アンドリューズ」が起源。その後、1888年に教会名を外し、フラムFCという名のプロクラブが設立された。

創立から多くの年月を下部リーグで過ごしていたが、1990年代後半に高級百貨店ハロッズの経営者であるモハメド・アルファイドがオーナーになり資金力を得るとチーム力を強化。その結果、2001-02シーズンにはジャン・ティガナ監督の下、記録的な勝ち点を積み重ね2部に相当するチャンピオンシップにおいて優勝をなしとげプレミアリーグへ昇格を果たした。

2002年にはUEFAインタートトカップを制したが、リーグではジャン・ティガナに代わってクリス・コールマンがシーズン途中で指揮を執った2003-04シーズンの9位以外は2桁順位であり、特に2006-072007-08は2シーズン続けて監督がシーズン途中で解任され、残留争いをするなど下位に低迷した。

2008-09シーズンは、大きな補強もなくほぼ変わらない戦力であった為に、開幕前には降格候補にも挙げられるほどであった。しかし、シーズンが始まると前シーズン途中から指揮を執り残留へ導いたロイ・ホジソンの下、得点力はないながらも堅い守備で勝ち点を重ね、7位で終えて、UEFAヨーロッパリーグへの出場権を得た。

2009-10シーズンはクラブ史上最高のシーズンとなる。リーグ戦の順位こそ12位だったものの、FAカップ準決勝進出。ヨーロッパリーグでは前年度王者のシャフタール・ドネツクをラウンド32で撃破。続くラウンド16ではイタリアの強豪ユヴェントスと対戦。アウェイの1stlegで3-1と敗れるが、ホームでの2ndlegでは相手に先制を許すものの、その後4ゴールを奪い4-1で逆転勝ち。トータルスコア5-4でベスト8への勝ち上がりを決めた。その後は前年度ブンデスリーガ王者のヴォルフスブルク、同じくブンデスリーガのハンブルガーSVを破り、決勝に進出。決勝ではアトレティコ・マドリードに延長戦の末に2-1で敗れたが、準優勝という結果を収めた。

2013年7月にNFLジャクソンビル・ジャガーズのオーナーであるシャヒド・カーンがフラムを買収。なおジャガーズは2013年シーズンから4年間ロンドンでホームゲームを行うことが決定しており、オーナーは買収と関連した動きであることを示唆している[3]

2013-14シーズンは開幕13試合で勝ち点10しか獲得できず、[4]、2013年12月1日、マルティン・ヨル監督を解任し、レネ・ミューレンステーンが就任したが[4][5]、チームの調子は上向かず、シーズン3人目の監督としてフェリックス・マガトが就任した[6]。2014年5月3日にアウェーでのストーク戦に1-4で敗れ、最終的に19位となり、2000-01シーズン以来のチャンピオンシップへの降格が決まった。

2014-15シーズンは開幕7試合で勝ち点1しか獲得できず、2014年9月、マガト監督を解任し、キット・サイモンズが就任した[7]。最終的に17位となり、2季連続降格の危機を免れた。

2015-16シーズンは2015年11月7日にホームでバーミンガム・シティに2-5で敗れ[8]、12位となった時点でキット・サイモンズ監督を解任し、[9][10]12月27日にセルビア人のスラヴィシャ・ヨカノヴィッチが就任した。[11]しかし、昨シーズンより成績を下げて降格圏と勝ち点11差の20位で終えた。

スタジアム

ロンドン郊外にあるクレイヴン・コテージを本拠地としている。当チームの愛称「コテッジャーズ(The Cottagers)」はクレイヴン・コテージにちなんだものといわれている。昇格時にプレミアリーグでは許可されていない立見席があったため、2002-03シーズンから2年間の予定で全面的な改修工事が施され、その間は当時下部リーグのFAディビジョン2(3部相当)に所属していたクイーンズ・パーク・レンジャーズ(QPR)のホームスタジアムロフタス・ロードを暫定本拠地として使用した。

当時の会長モハメド・アルファイドは、クレイヴン・コテージがテムズ川のほとりの住宅街という独特な立地にあるため、改修の規模が条例で制限されることや地域住民が改装に反対運動を起こすことを嫌い、この機を利用してスタジアムを売却して住宅地とし、本拠地を移すことを画策していた。しかし、古くからのファンの反対や新たな用地買収の失敗に見舞われ、結局移転を断念し、リーグのルールを最低限クリアする全席座席化や老朽箇所の補修などにとどめて(収容能力も22,000人程度に縮小)、2004-05シーズンにクレイヴン・コテージに復帰した。

タイトル

国内タイトル

2021-22

国際タイトル

2002

過去の成績

シーズン リーグ戦 カップ戦 リーグ杯 欧州カップ / その他 最多得点者
ディビジョン 順位 選手 得点数
1998-99 ディヴィジョン2 46 31 8 7 79 32 101 1位 5回戦敗退 3回戦敗退 ジェフ・ホースフィールド英語版 15
1999-00 ディヴィジョン1 46 17 16 13 49 41 67 9位 5回戦敗退 準々決勝敗退 リー・クラーク英語版 8
2000-01 46 30 11 5 90 32 101 1位 3回戦敗退 準々決勝敗退 ルイ・サハ 27
2001-02 FAプレミアリーグ 38 10 14 14 36 44 44 13位 準決勝敗退 4回戦敗退 バリー・ヘイルズ英語版
スティード・マルブランク
ルイ・サハ
8
2002-03 38 13 9 16 41 50 48 14位 5回戦敗退 4回戦敗退 UIC 優勝 スティード・マルブランク 6
UC 3回戦敗退
2003-04 38 14 10 14 52 46 52 9位 準々決勝敗退 2回戦敗退 ルイ・サハ 13
2004-05 38 12 8 18 52 60 44 13位 5回戦敗退 準々決勝敗退 アンディ・コール 12
2005-06 38 14 6 18 48 58 48 12位 3回戦敗退 3回戦敗退 コリンズ・ジョン 11
2006-07 38 8 15 15 38 60 39 16位 5回戦敗退 2回戦敗退 ブライアン・マクブライド 9
2007-08 プレミアリーグ 38 8 12 18 38 60 36 17位 3回戦敗退 3回戦敗退 クリント・デンプシー 6
2008-09 38 14 11 13 39 34 53 7位 準々決勝敗退 4回戦敗退 アンディ・ジョンソン 10
2009-10 38 12 10 16 39 46 46 12位 準々決勝敗退 3回戦敗退 UEL 準優勝 ボビー・ザモラ 8
2010-11 38 11 16 11 49 43 49 8位 5回戦敗退 3回戦敗退 クリント・デンプシー 13
2011-12 38 14 10 14 48 51 52 9位 4回戦敗退 3回戦敗退 UEL GS敗退 17
2012-13 38 11 10 17 50 60 43 12位 4回戦敗退 2回戦敗退 ディミタール・ベルバトフ 15
2013-14 38 9 5 24 40 85 32 19位 4回戦敗退 4回戦敗退 スティーヴ・シドウェル 8
2014-15 チャンピオンシップ 46 14 10 22 62 83 52 17位 4回戦敗退 4回戦敗退 ロス・マコーマック 17
2015-16 46 12 15 19 66 79 51 20位 3回戦敗退 3回戦敗退 21
2016-17 46 22 14 10 85 57 80 6位 5回戦敗退 3回戦敗退 トム・ケアニー 12
2017-18 46 25 13 8 79 46 88 3位 3回戦敗退 2回戦敗退 ライアン・セセニョン 15
2018-19 プレミアリーグ 38 7 5 26 34 81 26 19位 3回戦敗退 4回戦敗退 アレクサンダル・ミトロヴィッチ 11
2019-20 チャンピオンシップ 46 23 12 11 64 48 81 4位 4回戦敗退 2回戦敗退 26
2020-21 プレミアリーグ 38 5 13 20 27 53 28 18位 4回戦敗退 4回戦敗退 ボビー・リード 5
2021-22 チャンピオンシップ 46 27 9 10 106 43 90 1位 4回戦敗退 3回戦敗退 アレクサンダル・ミトロヴィッチ 43
2022-23 プレミアリーグ 38 15 7 16 55 53 52 10位 準々決勝敗退 2回戦敗退 14
2023-24 38 13 8 17 55 61 47 13位 4回戦敗退 準決勝敗退 ロドリゴ・ムニス 9
2024-25 38

記録

2011年12月14日現在

欧州での記録

大会 勝率
UEFAカップ / UEFAヨーロッパリーグ 39 21 10 8 62 31 +31 053.85
UEFAインタートトカップ 8 4 4 0 11 5 +6 050.00
総通算 47 25 14 8 73 36 +37 053.19

欧州の成績

現所属メンバー

プレミアリーグ 2024-25シーズン 開幕フォーメーション(4-3-3
2024年9月30日現在[12]

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
1 GK ベルント・レノ
2 DF ケニー・テテ () ()
3 DF カルヴィン・バッシー ()
5 DF ヨアキム・アンデルセン
6 MF ハリソン・リード
7 FW ラウル・ヒメネス
8 FW ハリー・ウィルソン ()
9 FW ロドリゴ・ムニス
10 MF トム・ケアニー ()()
11 FW アダマ・トラオレ () ★
12 FW カルロス・ヴィニシウス
No. Pos. 選手名
15 DF ホルヘ・クエンカ
16 MF サンデル・ベルゲ
17 FW アレックス・イウォビ ()★
18 MF アンドレアス・ペレイラ ()
19 FW リース・ネルソン
20 MF サシャ・ルキッチ
21 DF ティモシー・カスターニュ
23 GK シュテファン・ベンダ
30 DF ライアン・セセニョン
31 DF イッサ・ディオプ ()
32 MF エミール・スミス・ロウ
33 DF アントニー・ロビンソン ()

※括弧内の国旗はその他保有国籍、もしくは市民権、星印はEU圏外選手を示す。

監督

ローン移籍

in

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
19 FW リース・ネルソン (アーセナルFC)
out

注:選手の国籍表記はFIFAの定めた代表資格ルールに基づく。

No. Pos. 選手名
-- MF ルーク・ハリス (バーミンガム・シティFC)

歴代監督

氏名 国籍 期間
ハリー・ブラッドショー イングランド 1904 - 1909
フィル・ケルソ スコットランド 1909 - 1924
アンディ・ドゥカット イングランド 1924 - 1926
ジョー・ブラッドショー イングランド 1926 - 1929
ネド・リッデル イングランド 1929 - 1931
ジミー・マッキンタイア イングランド 1931 - 1934
ジミー・ホーガン イングランド 1934 - 1935
ジャック・パート イングランド 1935 - 1948
フランク・オスボーン イングランド 1948 - 1949, 1953 - 1956
ビル・ドッジン・シニア イングランド 1949 - 1953
ドウグ・リヴィングストン スコットランド 1956 - 1958
ベドフォード・ジェザード イングランド 1958 - 1964
ヴィク・バッキンガム イングランド 1965 - 1968
ボビー・ロブソン イングランド 1968 - 1969
ビル・ドッジン・ジュニア イングランド 1969 - 1972
アレク・ストック イングランド 1972 - 1976
ボビー・キャンベル イングランド 1976 - 1980
マルコム・マクドナルド イングランド 1980 - 1984
レイ・ハルフォード イングランド 1984 - 1986
レイ・レウィングトン イングランド 1986 - 1990
アラン・ディックス イングランド 1990 - 1991
ドン・マッケイ スコットランド 1991- 1994
イアン・ブランフット イングランド 1994 - 1996
ミッキー・アダムス イングランド 1996 - 1997
レイ・ウィルキンス イングランド 1997 - 1998
ケビン・キーガン イングランド 1998 - 1999.5
フランク・シブリー イングランド 1999.5
ポール・ブレイスウェル イングランド 1999.5 - 2000.3
カール=ハインツ・リードレ ドイツ 2000.3 - 2000.7
ジャン・ティガナ フランス 2000.7 - 2003.4
クリス・コールマン ウェールズ 2003.4 - 2007.4
ローリー・サンチェス 北アイルランド 2007.4 - 2007.12
ロイ・ホジソン イングランド 2007.12 - 2010.6
マーク・ヒューズ ウェールズ 2010.7 - 2011.6
マルティン・ヨル オランダ 2011.6 - 2013.12
レネ・ミューレンステーン オランダ 2013.12 - 2014.2
フェリックス・マガト ドイツ 2014.2 - 2014.9
キット・サイモンズ ウェールズ 2014.9 - 2015.11
スラヴィシャ・ヨカノヴィッチ セルビア 2015.12 - 2018.11
クラウディオ・ラニエリ イタリア 2018.11 - 2019.2
スコット・パーカー イングランド 2019.2 - 2021.6
マルコ・シウバ ポルトガル 2021.7 -

歴代所属選手

GK


DF


MF


FW


脚注

  1. ^ Premier League Handbook 2018–19”. Premier League (30 July 2018). 3 January 2019閲覧。
  2. ^ Welcome To Shahid Khan”. Fulham F.C. (12 July 2013). 14 July 2013時点のオリジナルよりアーカイブ12 July 2013閲覧。
  3. ^ NFL JAPAN ジャガーズのオーナー、英サッカーチーム買収を完了”. NFL JAPAN. 2013年7月13日閲覧。
  4. ^ a b How do Premier League clubs fare after sacking their Manager?”. Proven Quality (18 February 2014). 14 February 2014時点のオリジナルよりアーカイブ19 February 2014閲覧。
  5. ^ “Fulham hire Felix Magath after sacking Rene Meulensteen”. BBC Sport. (14 February 2014). オリジナルの15 February 2014時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140215031333/http://www.bbc.co.uk/sport/football/26200035 14 February 2014閲覧。 
  6. ^ “Rene Meulensteen, Ray Wilkins and Alan Curbishley exit Fulham”. BBC Sport. (18 February 2014). オリジナルの24 September 2015時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150924202206/http://www.bbc.com/sport/football/26251769 14 February 2018閲覧。 
  7. ^ “Felix Magath departs Fulham with Kit Symons taking charge on temporary basis”. Sky Sports. (19 September 2014). オリジナルの6 October 2014時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20141006101340/http://www1.skysports.com/football/news/11681/9476634/felix-magath-departs-fulham-with-kit-symons-taking-charge-on-temporary-basis 5 October 2014閲覧。 
  8. ^ Match Report – Fulham 2 – 5 Birm'ham | 7 November 2015”. Sky Sports. 7 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ8 November 2015閲覧。
  9. ^ Fulham results & fixtures for the 2015–2016 season”. 12 February 2016時点のオリジナルよりアーカイブ。8 February 2016閲覧。
  10. ^ Fulham sack manager Kit Symons”. Sky Sports. 23 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ8 November 2015閲覧。
  11. ^ Jokanović Appointed | Fulham Football Club”. 27 December 2015時点のオリジナルよりアーカイブ27 December 2015閲覧。
  12. ^ Teams”. Fulham FC. 2024年9月30日閲覧。

外部リンク

公式
ニュース
その他




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