フランスにおける manga の黎明
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「フランスにおける日本の漫画」の記事における「フランスにおける manga の黎明」の解説
その後、Casterman 社を始めとした老舗出版社も manga 出版に参画を図るようになる。Casterman 社は1995年1月に叢書 Manga を創設し、まずはフランス人作家アレックス・ヴァレンヌ (Alex Varenne) が日本で製作した Kiro、そしてフランスと縁の深いアメリカ人作家ジェローム・チャーリン (Jerome Charyn) とジョー・ステイトン (Joe Staton) による Au Nom de la famille を出版、後者を出した9月には続けざまに田中政志の『ゴン』 (Gon)、沙村広明の『無限の住人』 (L'Habitant de l'infini)、そして初の作家性を売りにした作品谷口ジローの『歩く人』 (L'Homme qui marche) を刊行。Casterman 社の Manga シリーズはさらに先鋭的な新シリーズに引き継がれる1999年まで漫画を供給し続けた。また1995年1月から1年間、アメリカ資本の Dark Horse Comics 社が真鍋譲治の『アウトランダーズ』 (Outlanders) を刊行、Dargaud 社も Kana と名づけたシリーズを創設した。当時は日本漫画 (manga) と韓国漫画 (manhwa) は区別されていなかったため、このシリーズには日本漫画に加えて韓国の漫画家 Hyun Se Lee のAngel Dick、Armagedon も加えられている。 このころには専門出版社も誕生した。1994年から乾はるかの『お元気クリニック』 (Ogenki Clinic) などの成人向け漫画を出版し、その後垣野内成美と平野俊貴による『吸血姫美夕』 (Vampire princess Miyu) などを手がけた Samuraï Éditions 社、1995年1月に寺沢武一の『武 TAKERU』 (Takeru) を出すものの短命に終わった Star Comics、同様に同年4月に設立され翌年に解散するまでに草彅琢仁『上海丐人賊』 (Shang Hai Kaijinzoku) ・岡崎武士『精霊使い』 (Les Élémentalistes) ・結城信輝『ヴェルバーサーガ』 (Vaelber Saga) などの翻訳出版を行なった Kraken 社などがある。1995年6月にCLAMPの『聖伝-RG VEDA-』 (RG veda) で登場した Tonkam 社は日本漫画専門として初めて大型出版社へと成長した。同社はコストおよび作品性への配慮から初めて日本と同じレイアウト方向を採用し、この形式は間もなく業界の標準的なものとなった(前述の通り Casterman 社の Écritures シリーズなど一部を除く)。[要出典]
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